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2014/12/29

matimulogでみる今年の出来事(3)

7月
Bankruptcy:債務整理を得意とする弁護士法人が破産
弁護士の競争環境が激化し、新人弁護士のOJTに支障をきたしたりベテランが不祥事を起こしたりというニュースが良く伝えられているが、弁護士事務所の倒産事件というのもその一環である。しかし、この事務所のウェブサイトはまだ見ることができるのだが、放置なのであろうか? それともワナが仕掛けてあったりするのだろうか?

人質司法 (sans 可視化)現在進行中
札幌で起こったら連続ガスボンベ爆発事件、犯人として逮捕された女性が否認を続け、長期勾留の憂き目を見ている。再逮捕につぐ再逮捕、そして証拠隠滅の恐れを理由とする保釈の拒否、自白しないとこうなるという人質司法の典型例だ。最終的に有罪かどうかは、この際関係ないのである。
関連:penalcourt:取調べ過程の可視化を促す裁判官
検察に対する盲目的な信頼感が薄れてきた一例。

nuk:大間原発建設差止訴訟第一回口頭弁論
函館市が、対岸の大間原発の建設差止を求めるという、異例ずくめの訴えである。

news:ベネッセの情報漏洩
今年の大ニュースであった。
関連:Justsystemに個人情報を売った業者 ジャストシステムもすっかり評価を下げたが、名簿屋の問題をきちんと扱うことなく個人情報保護法の改正が進められるようである。
関連:privacy:ベネッセに見る個人情報保護法のザル法ぶりとビッグデータ利活用の危うさ

LINE詐欺
LINEにとっては不幸なことだが、代表格のように扱われたのも普及したが故の有名税だ。問題はID/PWの使い回しであり、メールアドレスをID代わりに使うことの脆弱性、マルチデバイス対応のコミュニケーションツールのリスク、そしてSNSのお友達関係の危うさなど、様々な点が注目される事件である。

www:早稲田ではコピペだらけの草稿でも博士号を認定していた
小保方さん関連ニュースで、早稲田大学の博士号授与過程が極めてずさんで、最終的に提出された博士論文は誰も読まなかったということが露呈した。

arret:DNA関係に基づく親子関係不存在確認が嫡出推定に勝てない事例
色々な論点・観点があって一概に評価できないが、法的親子関係は生物学的な血縁関係を必ずしも意味しないということが改めて示された事例ということである。

小樽港にBlue Ridgeが寄港した
アメリカ総領事館主宰の独立記念日パーティが、少し日がずれたが、ブルーリッジ艦上で行われた。

Book:家事労働ハラスメント、略して家事ハラ
旭化成のいわゆる家事ハラ騒動である。
関連:news:家事ハラ騒動、その後

8月
LINEのやりとりで言った言わないの争いが勃発:追記あり
この時期、号泣県議だのセクハラヤジ都議だの、地方議員の不祥事が注目の的であった。この事件も、その一つ。

Izmir弁護士協会
トルコ訪問の記録だが、本題はイスタンブールのDVセミナーである。Facebookには写真をアップしたところだが、こちらではほとんど書いていないことが見返すと分かる。内容的には、NITTO会のトルコ訪問記に詳しい。

child:いわゆるハーグ条約初適用事例
イギリスから日本への連れ戻しをイギリスの裁判所に求めて認められた事例である。
今年は、この後、action:子の国際的奪取に関するハーグ条約で日本在住の子の引渡しを求められるという件と、もう一件が日本の裁判所で外国在住の親に引き渡す旨の裁判がなされたケースが報じられていた。

9月
action:嘆かわしい世も末な訴え
保育園の子どもの声がうるさいという趣旨の訴えである。子どもの泣き声とか、遊ぶ姿とか、そうしたものへの反感を露わにする世相と同根だと言ったら訴えた側が文句を言いそうだが、子育てに対する逆風という意味では、全く同類である。

Bordeaux軽罪裁判所の傍聴
ボルドー訪問。世界の裁判所の中でも最も変わった建築様式といって過言ではあるまい。このどんぐりの中で実際に裁判が行われている様は、感動的でさえある。

卑怯者のpoliticienne
ネオナチを標榜する男とのツーショットが報じられた現職閣僚や自民党幹部が、そんな奴知らないといって言い逃れた事例だが、ヘイトスピーチ団体の問題を問われて「一団体のことをコメントしない」と答えを拒否した国家公安委員会の現職委員長とかも含め、ネオナチシンパ、排外思想シンパが現内閣にいることを推測させる手がかりである。もちろん、戦後レジームからの脱却を掲げる首相自身がその手がかりではあるが。
関連:Politique:第二次安倍内閣の女性閣僚関連記事
ここで槍玉に挙げられていない小渕優子さんだけが、その後、金銭スキャンダルで火だるまとなったことは、果たして偶然か、興味深い。

independent:スコットランドの次はカタローニャ
スコットランドの独立をかけた住民投票は、最後に独立反対派が巻き返して勝利した。他方、スペインからのカタローニャの独立運動は、そもそも投票をさせない、自主投票は違法だという強制策により断念させた。民主主義の成熟度の違いであろうか?

HeForSheキャンペーンとエマ・ワトソン
エマ・ワトソンの演説は、日本でも話題となったが、はしなくも女性を下に見たい人々の反発が顕になったところが面白い。現在の政権党である自民党ぐるみ、そして安倍首相の自慢する女性閣僚の何人かは、反ジェンダーフリーということで知られており、「男性と女性との等しい権利と機会の保障を求める考え方」や「男性らしさに息苦しさを感じる、あるいは父親としての役割を不当に奪われたり低い評価をされたりすることの問題性」を問うエマ・ワトソンの演説に真っ先に反発するのが、安倍政権というところである。

中国のDV被害者の惨状と日本
暴力を振るわれて反撃したら、反撃した方が捕まったり、夫婦間暴力の加害者を夫婦げんかとして逮捕もしないとか、市民団体の政府批判には耳を傾けないとか、中国の話は日本でも程度の差こそあれ同様だと言わざるを得ない。

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