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2014/11/17

univ. 南京大学での北大交流デー

南京大学での北大交流デーというのは何をやるのかと思ったら、少なくとも法学研究科と南京大学法学院との交流は学問交流であり、双方の助教・院生がそれぞれの研究報告を行い、これにコメントをつけるというものであった。

トップバッターは、郭薇・北海道大学大学院法学研究科助教の報告で、「法律雑誌について語ることに語れること」と題する極めて興味深い報告。
明治期から現代に至るまでの法律雑誌の歴史と内容、発行目的や趣旨、その社会的な意義を分析したもので、現代においての役割は民主主義の一つの要素となりうると締めていた。

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続いて南京大学の院生の姜娟娟さんが「付随義務(保護義務)違反の法律責任」と題する報告を行った。これはもう契約責任と不法行為責任との間で揺れる付随義務違反や安全配慮義務違反の位置づけの問題で、体系的な問題意識はよく分かるのだが、中国法のもとでこれを論じる実益はどこにあるのかは、残念ながらよくわからなかった。

三番手は北大大学大学院法学研究科の張子弦さんで、困窮企業の救済制度について、つまり倒産手続について、経営者が保証責任を負わされてにっちもさっちも行かなくなる状況を、早期倒産申立てや私的整理利用により打開できるかという問題を報告した。

最後は、喩杯峰(少し字が違うが)さん、この方は南京大学法学院博士課程の学生だが、「環境公益訴訟における公共圏の導入とその効果」と題する興味深げな報告であった。中国では環境公益訴訟を一定の団体に提訴資格を与えているというのだが、具体的な情報がほしいところではある。もっとも中国語が読めないので、その点が極めて歯がゆい。

それぞれについて、特に民事訴訟法の院生たちや民事法の先生たちが参加して、誰かがコメントをする。冒頭の郭薇さんの報告には中国の法制史の先生がコメントし、張さんの報告には中国の民訴の先生がコメントしていた。その他、中国側の報告には主に北大側からのコメントということになる。
もっとも最後の喩さんの報告には、民法の先生が長いコメントをつけていた。それは検察による民事訴訟への介入権に関わるもので、環境公益訴訟にもそれが踏まえられていたというのである。また、環境公益訴訟の提訴権はNGOであり、これに検察が協力するという。この公益訴訟は消費者訴訟にも拡大される可能性があるという。ますます興味深い。

ということで、少なくとも法学研究科と法学院の交流デーは、合同研究会というのが実態であった。

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