politique:小渕優子会計処理問題についての参考
小渕優子さんが第三者の調査を入れるといって大臣の職責を続けられないと辞任したが、これについて「解説」する二つの記事がある。
一つは現役国会議員秘書として働く人が裏事情をお教えしようというもの。
もう一つは、単純なことが原因だろうと指摘するもの。
第一のものは「なぜ小渕優子前経産相は「収支がわからない」のか?
国会議員事務所のお財布事情と政治家の“哀しい性”
――松井雅博・現役国会議員政策担当秘書」だ。
こちらは、長いが、小渕優子さんの問題について解説するものではなくて、政治家が一般的にいかにお金を遣うか、必要かという話であり、今回の問題について参考となるものではなかった。
これに対して長谷川さんの「小渕優子さんの一件の裏にあったこと」は説得的だ。
ざっくり言うと、観劇会には相当数の動員がかかっていて、実際に金を払って来てくれた人たちは300人そこそこだったが、その他のただで来てもらったのだから収入がないはずだ、というものである。
これが本当だとすると、可能性はあると思うが、全然不記載の年は何なのか疑問も残るが、ともかく本当だとすると、動員かけられてきた人たちは有権者なのか、利益供与を受けていたというべきなのか、疑問はないではない。
しかし、やはりこれでは利益供与は否定出来ないだろう。
なにしろ、選挙運動の運動員にバイトを雇っても買収になると解されてきた世界の法律である。今は緩和されたとは言え、基本姿勢は変わらない。
観劇会を成立させるには頼み込んで客になってもらう動員をかけざるを得ず、動員されてきた人たちからは当然カネは取れない、取れるはずもない、にも関わらずカネを取らなきゃ買収・利益供与だ、という構造になる。
釈然としない気持ちにもなるが、そもそも政治家が有権者に対して、観劇会みたいな催しで講演会に繋ぎ止めるということ自体、それほど尊重すべき行為でもないのかもしれない。
日本的な仲良し仲間的なつながりを重視する発想からすると、それが出来ないのはおかしいとなるが、やはり、政治家は政見で支持を求め、有権者は政治家の政治能力を基準に選ぶべきなのであり、観劇会みたいなやり方で支持をつなぎとめるのは王道ではないので、それができにくい規制があっても仕方がないというべきなのであろう。
これに対してSNSを通じた政治家と有権者とのつながりは、一見娯楽的なつながりに見えるが、政治家の言動を発信して、これを材料にして支持者がつながっていくのであるから、基本は政治的能力の評価にあるのであって、王道を外れるものではない。
もちろんSNSを通じてでも利益供与は可能なので、それがダメであることは言うまでもない。
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