大学に朝日OB教員を辞めさせないと危害を加えると脅迫+追記
朝日新聞サイトからの引用だが、以下の様な事実が報じられている。
北星学園大(札幌市厚別区)に今年5月と7月、慰安婦問題に関する記事を書いた非常勤講師の元朝日新聞記者(56)の退職を求め、応じなければ学生に危害を加えると脅す文書が届いていたことが捜査関係者への取材で分かった。大学側から相談を受けて、北海道警札幌厚別署が威力業務妨害の疑いで調べている。
また、帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)にも9月13日、慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者の人間科学部教授(67)の退職を要求する脅迫文が届いていたことがわかった。大学は被害届を提出、府警が威力業務妨害容疑で調べている。元記者は同日付で退職した。
北星学園大学の5月29日と7月28日の脅迫については、このブログで取り上げるのをスルーしているが、報道で見た記憶がある。
その時の新聞記事によれば、非常勤講師ということもあり、年度末の任期とともに更新はしない意向が大学にあると示されていたように思う。今となっては記憶にしか頼れないが、「元記者を辞めさせなければ天誅(てんちゅう)として学生を痛めつける」「釘を混ぜたガスボンベを爆発させる」などという記載内容、それに数本の虫ピンが同封されていたということは見ていなかった。
ガスボンベ云々は、札幌で何件も起こった事件の模倣であろう。
いずれにしても、教員が朝日記者OBであること、「元慰安婦の証言を韓国紙などに先駆けて報じていた」ということを理由とする脅迫であり、朝日新聞の報道の間違いを認めたとしても、許しがたいテロ行為というべきである。
帝塚山学院大学のケースは、「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘を入れたガス爆弾を爆発させる」などと記され、釘1本が同封されていたという」ことであり、上記北星学園大学とよく似た内容だ。
こちらの問題は、常勤の教授であり、上記の脅迫と同日付で辞任したという点で、北星学園大学のケースに比べて数段深刻だ。
およそ大学の名を掲げる以上、右翼街宣が怖くて日教組の集会をキャンセルしてしまうホテルのようなヘタレな対応はすべきでないし、たとえ真に自発的に辞表が提出されたのだとしても、大学の立場は別との姿勢を明示すべきであった。
辞表を受理しない、保留にすると言った対応、教授会や経営執行部が脅迫を非難し辞職要求を突っぱねると言った対応が考えられた。今からでも遅くはないと思うが。
思えば、教員の言動を理由に大学に圧力をかけて辞めさせようとする発想・行動は、これまでも数多く見られた。中には教員の側がどう考えても乱暴だという場合もあるが、それでも大学が教員の言動を理由とする不利益処分をするというのは不適切であり、責任は当該教員が一身に負うとともに、自らの判断が尊重されるべきなのである。
追記:北星学園大学は、該当教員を今年度中継続して授業担当させ、守ることを表明した。
来年は依然として分からないとしているが。
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/20140930.pdf
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