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2014/10/24

news:「新手サービサー」記事に見る違法取立て

法律なんかメじゃない、弁護士事務所にまで怒声浴びせる回収屋たち…「企業買収」装い債権買い叩く新手サービサーの“法律知識”

回収屋が法律事務所にも怒鳴りこんでくるというのだが、これは極めてデジャビュな話だ。

昔は、サラ金の取り立てというのはこういうもので、それに対して自己破産・免責によって対抗するようになり、やがて受任通知で取り立て禁止というルールが出来上がった。

少なくともまともな商売たらんとする金貸しは、利息制限と取り立て許容性のルールの中で取れる範囲でしか取り立てできず、結局貸す時の信用調査で焦げ付きリスク回避をするという当たり前の行為が要求された。
また、借りる方も、返せない借金をすることはできないという当たり前の世界になった。

これが現在の自己破産件数現象につながっていることは明らかだ。

これに対して、金利規制をしてもヤミ金に流れるだけだということをいう人が必ず出てくるが、ヤミ金は犯罪なので、流れば粛々と捕まえればよいだけ。危険薬物を禁止すれば密売が増えるだけという「反論」と同じで、禁止すべきことへの反論には全くなっていない。

また、借りたくても借りれないから困るという人も必ずででくるが、返せない、返すあてのない人が借金できるという方がおかしい。

生活が苦しくて高利貸しに手を出してしまう人は、高利貸しに頼るのではなく、職を見つけて生活を再建し、無理なら生活保護にも頼りつつ再起を図るのが本来の道だ。高利貸に頼って一時しのぎをしても、苦しくなるだけだ。
そうなると学生はどうなる、主婦はどうなると言われるが、学生については将来性を信用調査して貸せる場合は貸せば良い。現実にそうなっていないというのは確かに問題があるところだが。
また主婦が家計のやりくりに、ということも、その人が収入がない以上は自ら借主になることは本来できなくて当然で、定収のある家族のメンバーが借りるのが筋だ。収入のない人に借金ができるようにすべきとの根拠には欠ける。

ともあれそのような経緯をたどって現在の貸金業規制になっているが、上記記事には違法なサービサーに手を染めた会社の巧妙な手口が紹介されている。
つまり不良債権を溜め込んだ貸金業者を、株式取得により会社ごと買い取り、自社の債権として回収するというわけだ。これはなかなか凄いと思う。警察は、株式譲渡に仮想した実質的な債権買取であってサービサー法違反は成立するという見解の下、立件を進めているようであり、先行きが注目される。

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