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2014/10/17

minso演習問題についての一疑問

学生が持ってきた演習問題について、とても疑問がある。

事案は結構込み入っているが、私の疑問に関係するところに絞ると、株式会社AとBとで構成されるジョイントベンチャーYが、その業務執行組合員たるAの代表行為により、Cと売買契約を結んだ。ところがY
はCに代金を払わない。そこで、CがY組合とAとBの三者に対して、売買代金を連帯して支払えとの訴えを提起したというのである。

Y組合に対する訴えは、もちろん民訴法29条が問題となるのだが、Y組合とその構成員AとBとを共に被告とすることには問題があるのではないか?

Y組合の債務は、権利能力なき社団としてABに総有的に帰属するということになる(ここがまず問題で、民法668条は組合財産を組合員の共有としているし、組合の債権者は組合員に損失分担割合に従って、それを知らなければ頭割りで個人責任を追及できるのだから、権利能力なき社団と同じ総有・有限責任と扱うのは明文に反する)が、その社団としての当事者能力が認められた後、社団が当事者適格を有するのはあくまで組合員に総有的に帰属する債務を社団固有の適格として、あるいは構成員の訴訟担当者として、のいずれかである。
仮に社団が固有の適格を有すると解するなら、個々の構成員には債務者ではないのだから被告適格がないはずだ。
この構成だと社団と構成員とを同時に債務者とすることは出来ないはずで、構成員が予備的に債務者とされていると構成すると、禁断の主観的予備的併合になる。これを無理やり単純併合でやっているのだとすると、同時審判申出が可能なばあいとなろうか。

逆に、個々の構成員が(総有的に)債務を負担しているとすると、社団はその訴訟担当者として訴訟追行をする。その場合、社団の受けた判決の効力は個々の構成員にも及ぶ。すると、構成員と社団とを同時に訴えることは、二重起訴禁止に触れるであろう。

Aが組合の業務執行組合員で、組合財産についての任意的(?)訴訟担当者として訴訟遂行できると解すると、やはりBとの共同訴訟は二重起訴禁止に触れそうである。

ただし、全くの別訴ではなく共同被告にしているのだから、二重起訴であってもいずれかが適法と認めれれば他方は却下という扱いにすれば良いとも考えられる。

問題は、こうした担当者と被担当者とが同時に訴えられている状況の問題性に、解説が全く触れていないということだ。問題を作った作者は、その点を意識していなかったということであろうか?

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