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2014/09/30

中国のDV被害者の惨状と日本

中国のDV被害者が救済のない状態に置かれているとの報道がある。

声を上げる場失う中国のDV被害者たち、支援団体解散し孤立

この記事を読むと、日本はまだマシではないかと思うが、それにしても、指摘されている問題点は日本にも共通するところが多い。他山の石として、我が国の状況の反省的検討に役立つ。

具体的には以下の様な指摘だ。

・酷い暴力の後に、警察に助けを求めた時のこと、「事件後に警察が身柄を拘束したのは夫ではなく、妹を助けようと駆けつけて夫を撃退してくれたマーさんの兄のほうだった。」
このお兄さんは、8ヶ月以上も拘束されているとのことだが、日本でも、DV加害者はなかなか逮捕しない、刑事責任を問わないのに、耐えかねた被害者が反撃に出ると、これは通常の犯罪と同様に扱われる。
正当防衛は要件が厳しく認められない。

・「警察は、夫を逮捕しなかった。私のけがなど、大したことはないと思ったんでしょう」とマーさん。
・女性たちがDV被害を訴え出ても多くの場合、警察から女性団体、地元住民自治会へとたらい回しにされる。当局は、被害者が重傷でも負わない限り介入に消極的だ。
先進的な国では、DVの事実を認めれば義務的に加害者を逮捕しなければならないという原則を立てているところがあり、それは取りも直さず、現場の裁量に任せていては家庭内のいざこざに介入したくないというのが世界共通の傾向だということを意味する。
それでは被害者の緊急時の救済につながらない。

・「ただの夫婦げんかだとみなされたんです」
・中国のでは4家族につき1件の割合で家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)が発生しているとみられる。しかし、当局は「プライベートな問題」だとして介入したがらないという。
さすがにこの意識は、昨今の重大な結果につながる事件のお陰で、現場の警察官からも法曹からも抜けてきたように思うが、まだまだだろうか。

・「政府は、市民団体が政府批判をしたり、中国社会のマイナス面を指摘したりするのを嫌がる」
これもまた世界共通の原理であり、権力は腐敗するということである。日本も、欧米諸国も、政府はその傾向を免れない。だからこそ、政府のできることに枠をはめ、批判に対する弾圧ができないような仕組みにする。それが憲法というものであり、そのような基本原理を立憲主義という。

・社交ダンスが長年の趣味だったマーさんは結婚後、すっかりやつれ、髪は薄くなり、体調も崩してしまった。今も、自分の一挙一動を監視し、家事をおろそかにしたと言っては手をあげた夫の影におびえながら暮らしている。
 DV被害者の長期的な心理的ダメージの存在は、素人にはなかなかわかりにくい。DVを担当する裁判官や書記官も、法律家ではあっても医者でも心理学者でもカウンセラーでもない。何とか耐えている被害者の外見をみて、大丈夫と思ってしまう素人だということを自覚するためには、せめて研修が必要だ。

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