Berge:長期刑囚人の安楽死
なかなか興味深い事例ではある。
複数の強姦罪と強姦殺人罪1件で有罪判決を受けている同受刑者は、30年にわたり収監されている。数年前から政府に対し、「耐え難い精神的な苦痛」を理由に安楽死の承認を求めていた。ベルギー法務省の報道官も同日、同受刑者の安楽死が決まったことを確認した。
ベルギーでは、「自発的に、熟考のうえ、繰り返し」安楽死を求めたこと、決断能力と意識があることという条件で「厳格に」安楽死が認められるという。
そして、2013年には1807人が安楽死を選択したという。
しかし、死期が近いとか、耐え難い苦痛を取り除くために他に方法がないなどといった条件が必要ないのであれば、単なる自殺を合法化したものともいえる。
この受刑者の場合、仮釈放は自らが社会にとっての脅威になることを認めて辞退しており、オランダの精神医療センターでの治療を望んでいたところ、これは政府の許可がでなかったため、安楽死を望んだという。
なお、この受刑者が外に出たのは母親の葬儀の時一度だけだったというのだが、母親の葬儀には外出が許可されるというのも、日本からすると驚きだ。
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