action:洋菓子メーカーがクール宅急便を訴える
なかなか良く出来た証拠収集方法で、面白い。
クール宅急便を巡っては、少し前に、保管倉庫でクール便の荷物を外気に晒して放置している場面がネットに画像で出回り、配達トラックは冷えてても意味がないということで話題となった。
このニュースは、実際に配送品が溶けていたというもの。
原告の洋菓子店は、自社商品を全国の百貨店で販売するため、その間の移動や自社への返送にクール宅急便を使っていたが、受け取った商品の大半が溶けて変形していた。
それでクレームしたところ、対応されなかったので、「洋菓子の箱に測定機器を入れてヤマト運輸に配達を依頼。計19日間にわたって途中の温度変化を調べたところ、3時間50分を最長に1時間以上0度を超えた時間帯が、少なくとも5回あったという」のである。
最近のデジタル機器の小型化、高機能化には目を見張るものがある。
そしてこれに通信機能や位置情報記録もついていれば、預けた荷物がどこでどのように扱われているかというのをモニターできそうだ。
別に預けた荷物に限られないので、その用途は広いだろう。
また預けた荷物についていうなら、ヤマトだけが標的ではない。ぱっと思いつくのは航空受託荷物で、要するに乗り継ぎがあったりすると途中でロストされたりすることがちょくちょくある。個人的には一度しかなく、一日か2日遅れで配達されたのでまあいいのだが、最終的になくなったという話は聞くし、途中で開けられて貴重品が盗まれたという話も聞く。
センサーやアラーム、あるいは光に反応した動画記録などを備えた記録装置を仕込んで、セキュリティを高めるといつたアイディアが今後流行るのではないか。
追記:ま、もちろん、おとり捜査の問題とか、違法収集証拠の問題とか、頭がよぎらないわけではないが。
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