news:代理出産で障害ある子が産まれたら引き取り拒否
なんとも重い話だが、代理母が問題となり、これを許容するかどうかという議論のときに、いくつかある懸念の一つが、この問題であった。そしてそれがひどい形で現実化したものである。
代理出産の依頼を受けたのは21歳のタイ人の女性で、去年12月、オーストラリア人の両親から日本円でおよそ150万円の報酬を受け取り、双子の男女の赤ちゃんを出産しました。 このうち、男の子はダウン症だったため、オーストラリア人の両親は引き取りを拒否し、障害のない女の子だけを引き取りました。 残された男の子は先天性の心疾患などもあり、病院での治療の必要もあるということですが、タイ人の女性が引き取り、自分の子ども2人と共に育てているということです。
このオーストラリア人の両親のやったことは正当化しようがない。
しかし、法ができる事の限界もまた、このケースから顕わになる。
このようなケースで、オーストラリア人の両親に子供の引取を命じたところで、強制的に引き取られた子供がさらに不幸になる可能性が高い。法律のできる事は、その責任を金銭的に償わせることに限られる。
オーストラリア人の両親はタイの代理母となった女性や生まれてきた子供に対し、自らが引き取ったのと同等の生活水準を保障するだけの金銭賠償を将来にわたって負担するべきだ。
ベビーM事件のように子供を取り合っているというケースでは、むしろ親としての地位をいずれに認めるかという点に法的な解決が向けられるが、今回のことでは、そうしたケースがずっとましに思えてくる。
| 固定リンク
「法と女性」カテゴリの記事
- Book:弁護士のための史上最悪の離婚事件(2022.11.24)
- 外国で結婚した日本人夫婦の婚姻届提出とその後の処理(2022.04.22)
- AV出演契約の拘束力は性的自己決定権放棄の限度で強制不能(2022.03.26)
- 親子法制の改正要綱案2022〜懲戒権と再婚禁止期間の撤廃(2022.02.01)
- Book:女たちのポリティクス(読後感)(2021.08.22)
コメント
最近の報道では下記の部分が省略されてるようですが、この場合、どうなんでしょうね?
ttp://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPKBN0G406I20140804
>妊娠7カ月目に、男の子に障害があることを知らされ、代理出産の仲介業者を通じて赤ちゃんの両親から男の子の中絶を依頼されたが、宗教上の理由から、これを断り出産に至った。
投稿: ADAM | 2014/08/05 15:07