jugement民訴教材:確定判決後に同じ給付の訴えの利益がある場合
給付判決が確定した後に、同じ給付の訴えを提起する時は、原則として訴えの利益がないので却下される。
しかし、時効中断の利益がある場合は別ということになっている。
その実例が報じられている。
当日に結納を控えた2001年4月、大阪市の路上で暴行され死亡した福岡県太宰府市の会社員(当時26)の両親が、加害者男性2人に計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は22日、請求通りの支払いを命じた。同地裁は04年にも同じ内容の判決を言い渡したが2人は支払わず、両親は損害賠償請求権が消滅する時効(10年)を前に、今年再び提訴した。民法の規定で、再び訴えを起こせば、過去の判決で確定した請求権の時効を中断できる。
原告の父親、敏明さん(68)は閉廷後、「裁判をするのにも経済的負担が大きい。判決がただの紙切れにならぬよう、何とかしていただきたい」と話した。
暴行加害者は既に刑務所を出所しているが、カネがないということで、いわゆる手元不如意の抗弁を主張。
当然ながら、一顧だにされず、むしろ既判力の拘束力基づいて同じ判断がくだされた。
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