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2014/07/30

繰り返される少年加害者の写真・実名のnet拡散

あの、酒鬼薔薇聖斗事件の時がクローズアップされた最初だったと思うが、センセーショナルな少年犯罪が起きると繰り返されるのが、実名・写真のネット拡散問題である。

最近の佐世保の女子高校生殺人事件でもやはり繰り返されている。

そして先回りして加害者の写真を削除することで、加害者の特定を容易にしてしまうことも起こっている。
加害女子高生の写真が佐世保市HPなどから削除 ネット上で疑問の声が相次ぐ

少年法の規定は、繰り返すまでもなく有名だと思うのだが、改めて確認しよう。

(記事等の掲載の禁止)

第六十一条  家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

この規定は、子どものプライバシーを守るためにあるという誤解がある。それがために、被害者のプライバシーは暴かれ放題なのに加害者のプライバシーだけ守る法律はおかしいなどというピント外れの反応が出てくる。

基本的に少年法は少年保護、非行・犯罪を犯した少年の更生のための法律であるため、上記の規定も少年の保護・更生を図る目的であることは間違いない。しかしそのこととプライバシー保護そのものとはレベルが異なり、将来の更生の妨げとならないようにするためという目的である。

プライバシーという意味では、加害者も被害者もなく、あらゆる人がそれぞれの境遇に応じて保障されている。明文の規定はないものの、憲法13条、民法709条などの解釈により、権利として認められるのが定説だ。権利としてできることの範囲は見解がバラバラだが、権利性についてはもう否定されることはない。

憲法第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

その意味で、加害者だけプライバシーが保障されて被害者は何もないという批判は的外れである。

それ以前に、そもそも少年犯罪に対して更生を第一と考える少年法の考え方自体が理解されず、厳罰を科すべきだという発想から、実名・写真を公にすべきでないという規定に反対する者もたくさんいるが、まあもうちょっと色々考えることがあるという他はない。
少年の未熟さ、可塑性、判断力の未熟さに起因する行動で一生浮かび上がれない境遇においてしまうことの非人道性などなど。

そして、その問題性は、少年犯罪にまで至らないバカッター行為でも一生残る汚点となってしまうインターネット環境では、ますます増幅されている。

もちろん、加害者として、被害者やその遺族との関係は否応なしについて回る。その葛藤、対立、悲しみ、苦しみは、いかに少年法が更生を第一としているとしても、被害者をなかったことにするわけにはいかない。
そして犯罪被害者の権利が以前は蔑ろにされていたことは事実だが、その状況はかなり改善されたと言ってよい。

そのような、一生ものの負い目を背負うことはやむを得ないのに、それ以上に世間から後ろ指を指されなければならないとすれば、将来の希望は微塵もなくなり、非行・犯罪を繰り返す行動に追い込まれることにもなる。そうなれば、本人のみならず、社会にとっても耐え難い損失である。

そういうわけで、少年に限らない問題ではあるが、特に少年非行・犯罪について少年法61条があるし、それは社会的な損失を防止するためにも社会として守るべきものだ。

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