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2014/07/13

jugement:民訴教材:第一回口頭弁論期日の変更申立てが認められなかった事例

東京地判平成25年8月22日WLJ

FX取引について、原告が廃業するというので顧客である被告がポジションの決済を求め、原告がこれを拒んで証拠金返還をし、それ以上の債務は不存在であるとの確認を求めた訴訟である。

この訴訟において、被告は第一回口頭弁論期日を欠席した。その経緯は以下のように判示されている。

被告は,本件において,複数の書面を提出して期日変更の申立てを繰り返すとともに,当裁判所からの約1月半ないし2月先の期日指定を前提とし,複数の候補日時を提示した上での照会に対し,京都市内在住であることや,実母の介護及び通院付添いの必要などを理由として出頭に応じることはできないとし,電話会議の方法による弁論準備手続に付することも検討している旨の同様の照会に対しても,同様の理由を挙げて,約1月半ないし2月先の期日には応じられないとした(当裁判所に顕著)。

 以上に加え,本件第1回口頭弁論期日後から弁論終結日である平成25年7月4日までに約40日の期間があったことに照らせば,被告において詳細な主張を準備するとともに,訴訟代理人弁護士の選任又は実母の介護及び通院付添いの予定の調整等を行うことも十分に可能であったというべきであるから,被告の応訴態度は不誠実なものであるとの非難を免れないものであり,期日までに答弁書を作成できない旨の被告の主張は失当である。

というわけで、応訴義務を尽くさなかったということである。

期日の変更申立てについては、民訴法93条3項は以下のように定めている。

3  口頭弁論及び弁論準備手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り許す。ただし、最初の期日の変更は、当事者の合意がある場合にも許す。

しかしこの事例では、第一回期日で擬制自白として結審してしまった事例ではなく、一応争ったものと扱われ、かつ続行期日まで40日の余裕を見ていたのだから、それまでに応訴準備をする余裕はあったということを述べている。
原告の主張立証で請求が認容できるのであれば、こうした過程を書く必要は特にないので、その意味で珍しい。

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