jugement:もう一つの遠隔操作事件
知人女性のスマートフォンに無断で遠隔操作ができるアプリケーション(ソフトウエア)を取り込んだとして、不正指令電磁的記録供用罪などに問われた青森県横浜町太郎須田、無職の男の被告(27)に対し、青森地裁は5日、懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
(中略)
判決によると、被告は2012年5月、以前交際していた女性のスマホに、女性の交友関係を知るために、遠隔操作ができるアプリを無断でダウンロードし、その後、何度も会話の盗み聞きを行うなどした。
珍しく匿名報道だが、他人の端末に無断で遠隔操作ソフトを入れて監視するのはウイルス供用に当たるという点で重要な一事例である。
しかし、このような刑事的解決が図られる一方で、他人が置き忘れたスマホを盗み見る行為と根っこは同じというところに落ち着きの悪さを感じる。
無論、アプリを使って常時監視するのとたまたま覗き見できてしまった一回的な行為とは侵害度合いが異なるので当罰性の程度も異なるし、方法を処罰しているのであるから、結果としての情報取得が同じでも扱いが違うのは当然なのだが。
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