FRANCE:具体化されていない調停条項と訴訟不受理事由
フランスの民事訴訟では、裁判外紛争解決手続の利用促進が特に叫ばれているが、さすがに具体的でない調停条項があるからといって訴えの不受理事由になるとは解されなかった。
破毀院混合部2003年2月14日判決は、調停前置を定めた条項で、その開始から終了まで時効が中断されるものについては、当事者がこれを援用すれば訴訟不受理事由になると判断した。
これを前提として、どのような内容の調停手続かを明示していない調停前置条項についても訴訟不受理事由になるとした控訴院判決に対して、破毀院2014年4月29日判決は、具体化されていない調停条項では訴訟不受理事由にならないとして破毀差戻ししたのである。
日本法になぞらえていうならば、調停条項があれば仲裁と同様の訴え却下がもたらされるかということになる。少なくともADR法では、ADR手続が係属していることまたはADR手続利用の合意があることによって訴訟を中止するという可能性が定められている(ADR法26条)。従って、ADR前置条項があってもせいぜい中止がなされるだけで、訴え却下ということにはならない。まして、具体的でない条項であれば、当然ADR法の認証を受けた手続とは限らないので、それだけでは訴訟中止にすらならない。
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