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2014/05/09

EU:インターネットユーザーのための人権ガイド

欧州評議会は、2014年4月16日の閣僚理事会により採択された「インターネットユーザーのための人権ガイド」を公表した。

仏語バージョン
Recommandation CM/Rec(2014)6 du Comité des Ministres aux Etats membres sur un Guide des droits de l’homme pour les utilisateurs d’internet

英語版

内容は、人権と基本的自由がオンラインでもオフラインでも等しく保障されなければならないことを前提に、インターネットユーザーにその内容を啓発しようというものであり、以下の様な項目が列挙されている。

差別のないアクセス権
 インターネットへのアクセスは、権利、自由、そして民主主義への参画に重要な手段であるがゆえに、その意に反して、裁判によらずに切断されるべきではない。

表現および情報の自由
 好きな情報や思想を検索し、取得し、そして伝達することは権利であり、干渉や限界があってはならない。

集会、結社、参加
 ネットユーザー同士、集まったり結社を組んだりすることは自由だ。

プライバシーとパーソナルデータの保護
 私的生活や家庭生活に関するプライバシー権があり、これには、パーソナルデータの保護や通信・伝達の秘密の尊重も含まれる。

教育と知識一般
  教育と知識にアクセスする権利が認められている。

青少年の権利
 青少年はこのガイドに認められたすべての権利を享受する。子どもたちにはインターネットをナビゲートする際の適切な保護が与えられる。

不服申立て
 この権利を侵害された場合には、訴訟のみならず裁判外の手段によっても救済を求めることができる。

わが国でも、インターネットの創世記にこの種のインターネット利用者の権利を称揚した事があった。
懐かしい『インターネット 法学案内―電脳フロンティアの道しるべ』(日本評論社・1998)50頁で引用しているところだが、平成7年の電気通信審議会答申では「ネットワーク社会のの基本的人権として、情報アクセス権と情報発信権とがあげられていたし、夏井高人先生の『ネットワーク社会の文化と法』(日本評論社・1997)228頁にも情報を享受する権利を基本的人権とする記述が見られる。

上記の欧州評議会が公表したガイドは、前世紀からの私達の認識が正しいものであり、現在も重要であることを教えてくれる。

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