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2014/04/13

ジェンダー研修受講中

昨日は京都女子大学の法学部完成記念国際シンポジウムが開催され、オーストラリアやカナダ、ドイツからの講演者を招き、『「ジェンダー公平な司法へ向けて」ジェンダー視点から司法を支援』が開催された。
今日は、その企画者が中心となって行われているワークショップで、ジェンダー公平な司法のための研修プログラム体験コースである。
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午前中は、大きめの教室に車座となって、国際的大企業でバリバリと働く女性が事故で障害を負ったという実在の例を上げ、その賠償額算定に必要と考えられる要素をあげよ、なぜその要素が必要と考えるかを説明せよというお題が出た。
実在の例では、損害算定に際して、女性が従来のキャリアを今後も発展させる可能性を認めつつも、事故後に結婚して子どもを設けた事実を考慮して、逸失利益を減額したというのである。つまりは、女性であるから、いずれは家庭を持って仕事をやめたり減らしたりするかもしれないというわけである。

抽象的な事例で考慮要素をと言われても、何を考えるべきかが闇鍋状態であったので、なかなか話に乗るのが困難ではあった。

第二に、ワニが泳ぐ川の向こうに住む婚約者と結婚するために、ボートを借りたいと頼んだところ、代償にセックスを求められ、やむなく応じたという事例(本当もその三倍くらいの要素がある)で、5人くらいの登場人物が出てきて、そのうち最も悪いと思うもの、最も良いと思うものは誰かを考えるお題であった。
具体的ながらもバックグラウンドみたいなところは書かれていない説明であるが、各参加者がそれぞれに思い入れを込めて解釈し、それに基づいて善悪を判断しているのが極めて興味深かった。

これによって、それぞれが持っているバイアスを浮き彫りにするわけだが、公正中立を旨とする裁判官であっても、当然ながらバイアスを完全に捨て去ることなどできないということに気がつくのが、この研修の目的である。
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