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2014/03/03

action:広島大学の准教授が研究室の使用を邪魔されたと提訴

読売:教授ら研究室退去迫った…広島大の2准教授提訴

これは、1000万円の慰謝料請求を請求しているので、ある意味アカハラの主張ということになろうか。

訴状などによると2人は2007年に同大学原爆放射線医科学研究所の准教授となり、割り当てられた2部屋(各18平方メートル)と隣の大部屋(36平方メートル)を研究室に使用していた。11年、同部門に配属された教授が2人に2部屋から退去し、大部屋を十数人と使うよう提案。2人は1人のスペースが2平方メートルになるうえ、教授は研究室があると抗議した。所長や学長が、2部屋と大部屋を一つにし、一部を2人に使わせる内容の「裁定」を出したが、2人は元の2部屋を使用。13年には、別室に置いてあった機材などを教授らに撤去されたという。

しかしながら、直感的には司法審査が及ぶのかという疑問がある。

大学内の研究室の割振りなどは、大学自治の問題であり、一般市民法秩序とは関係なかろう。そして研究室を使用する権限は、その大学内での割当にもっぱら依存するのであるから、使用権限があるのに邪魔されたから精神的苦痛を受けたとしても、違法な権利侵害があったかどうかの判断は大学自治の問題であって、裁判所の審査権が及ぶものではない。

このように中心的な争点が法適用により判断できないのであれば、違法性が立証できてないとして請求棄却にするか、あるいは結論たる請求権の有無の判断自体ができないとして訴え却下とするか、そのいずれかであろう。

大学の自治といっても、宗教団体の自律性とは異なり、構成員の学問の自由にかかわる問題ではなく施設利用に関する問題であれば、大学の機関としての決定を司法が是認することには憲法上の問題はない。ということで、違法性を立証できないとして請求棄却の本案判決を出すのがよいと思われる。

なお、以上は上記記事のみを土台とした考察であり、現実の事件で何が起こったのかは分からないまま書いていることをお断りしておく。

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