プッシー・ライオット(Pussy Riot)メンバーの釈放とロシアの人権
あえてクリスマスイブを前にした時期に、プーチン批判バンドのプッシー・ライオット(Pussy Riot)メンバーが恩赦により釈放された。
当のメンバーたちは、オリンピックを前にした政治的アピールだとして、早速プーチン批判を繰り広げている。
収監された時のmatimulog紹介記事では、欧州人権裁判所の出番ではないかと書いたが、残念ながらそうはならなかった。
上記の過去エントリーで引用しているビデオを改めて見ると、デモですらテロ扱いする日本社会や自民党幹事長の感覚からすると、日本では全く受け入れられないだろうなぁと思う。ましてや、ロシア正教会に相当する日本の有名どころの神社で同じような手法の抗議活動をやったら、ネトウヨを中心とするバッシングが殺到するのではないか?
ましてや、彼女たちはソチ・オリンピックを前にした政治的アピールだとして、他国にオリンピック・ボイコットを呼びかけたというのであるが、これと同じように東京オリンピック・ボイコットを呼びかけたりすれば、日本社会では完全売国奴扱いであろう。
こう書くと、反権力活動なら何をやっても良いのかと言われそうだが、もちろんそういうわけではない。彼女たちの活動は、反政府的記事を書いたジャーナリストが人知れず殺されたりして犯人が見つからないという社会においてのことでもある。しかし日本社会でも、抗議の声を街頭で挙げる行為自体迷惑だからやめろというレベルであるから、敢えて、秩序を乱す行為でも表現の自由の範囲内なのだということを強調する必要がある。
むき出しの権力による弾圧が恐ろしいことは言うまでもないが、日本社会にはびこる炎上バッシングと、多数の空気に逆らいにくい同調圧力も結構な威力があることを正しく認識すべきである。
ところでこのニュース、NHKではパンド名を言わないで報じているのが違和感だが、わいせつ的なイメージで遠慮したのであろうか?
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