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2013/12/31

lawyer: エジソン法律事務所はダメで、ヴァスコ・ダ・ガマ法律事務所はいい

だいぶ、周回遅れな話題だが、妻に話したところ笑ってくれたので、こちらに書いておく。

ある若い弁護士さんが、法律事務所に「エジソン法律事務所」という名前をつけて日弁連に届け出た。ところが、日弁連はこの届出を受理しないと決定したそうである。

その理由は、エジソン法律事務所(仮称)のネット署名活動のページに詳しい。

日弁連の法律事務所等の名称等に関する規程及び外国法事務弁護士事務所の名称に関する規程の解釈及び運用指針pdf

誤認・混同を生じるか否かにかかわらず、自己の氏又は氏名以外の個人(故人を含む。)の氏又は氏名を用いるもの(事務所名称規程第5条第2号に規定する共同事務所の他の弁護士の氏又は氏名を用いる場合等客観的かつ合理的な理由がある場合を除く。)

これに該当するとして届出を受理されなかったというのであるが、これに対するエジソン法律事務所(仮称)の反論が振るっている。第一番は、「「エジソン」というのは、私が13年来飼っている家族同様の存在である愛犬の名称であり、人名ではなく、そのことは既に日弁連にも証明済みであること」というのである。

この犬の名前をとって法律事務所名にしたんだというよりは、「仮にすべての他人の氏または氏名が禁止されるとした場合、たとえば「しらゆり法律事務所」という名称を付す場合ですら、「白百合」姓が存在する以上、これも禁止対象となるなど、規制があまりにも広範に過ぎること」という反論の方が筋が通っている。
それにそもそも、上記の規程の解釈・運用指針には、「それぞれ名称を付することについて有する自由を尊重し、過度に制限することがないようにしなければならない。」と書かれていることや、「形式的な違反を問うことなく、常に具体的事案に応じた実質的な解釈を旨としなければならない。」と書かれていることなどからすれば、エジソン法律事務所という名称をつけることによって実質的に不都合があると認められる場合に限って制限するという方針で臨むべきであって、形式的に自己の氏名以外の個人名を用いては行けないという規定に該当するからというのでは筋が通らない。

それに、届出制であるのに、受理するかどうかという操作を通じて実質的に許可制にしてしまうのはおかしいという反論もされているが、これまだもっともである。

ま、飼い犬の名前だという反論はどうかと思うのだが。

なお、別の事件のニュース記事を見た某有名判事が、ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所というのが存在することを発見し、Facebookでそのことを書いている。
これに対するコメントが面白い。日弁連はヴァスコ・ダ・ガマが人名であることを知らなかったかも、というのである。

法律事務所の名称が不正競争行為に実質的に該当したりすれば、弁護士会として問題があるというのは理解できる。それにエジソンという名称自体、知的財産的にはトラブルの源的なイメージがある。しかしそれでも、実質的な問題がある場合に初めて、届出を受理しないという扱いが弁護士会側の裁量権の範囲内にあるということができるのではあるまいか。

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