consumer:消費者クレームは品質改善のチャンス
昔から言われてきたことだが、未だにこういう記事が出てくるところを見ると、事業者サイドでは相変わらずそう思っていないということなのであろう。
リンク先は運輸関係のものだが、運輸に限ったものではないことは言うまでもない。
消費者団体も、適格団体かどうかに拘らず、事業者に対するクレームを発することがある。
適格消費者団体は、その成立の性格上、消費者契約法、景表法、特商法に関する差止請求権の枠内でのクレームをつけることが大半だが、必ずしもそれに限られたものではない。消費者にとって不当・不公正と思われる取引には、これを問題視して是正を求めることがある。
そうした活動に対して、事業者側の反応は、ケチつけられたと言って怒ったり無視したり反論したりというネガティブなものも多いが、中には上記のリンク先のように、クレームは改善のチャンスとばかりに反応する事業者もいる。
大変好ましいことではある。しかし、法的にハチャメチャであることが一見して明らかな約款を使っていて、クレームがあれば直すというのも手放しで喜ぶべき態度ではない。
無料のバグ取りアウトソーシングじゃないのかと思う時もある。
特に法的な問題点のチェックであれば、弁護士さんにそれなりの報酬を払ってやってもらうべき仕事であろう。
仕事の基本的な方針も異なる。
事業者から依頼を受けて、事業者の味方として行う法的チェックは、事業者の利益を最大限実現するぎりぎりの線を教示することが基本方針となる。それに対して消費者団体は、事業者の利益を最大化することは考えておらず、消費者の利益を損なうものは法的に問題があるかどうかに拘らず問題ありとするし、どこまで許されるかと言われれば法的に疑いのない線を回答せざるを得ない。
ということで、やはり法的なチェックも自ら依頼した弁護士に委ねる方が正道であり、無料チェックのアウトソーシングとかクラウドチェックとかソーシャルなんとかとか言われても、消費者側のクレームでは代わりにならないのである。
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