消費者のパーソナルデータ保護の必要性 by GAO
アメリカの会計監査院に相当するUS Governmnet Accountability Officeが、2013年9月付けで上院委員会に、消費者のパーソナルデータ保護の必要性を訴える報告書を提出している。
GAO:Consumer Privacy Framework Needs to Reflect Changes in Technology and the Marketplace
要するに、近年のパーソナルデータ収集再利用による商取引の活性化に鑑みて、既存のプライバシー法制が不十分であることを指摘し、その改善を求めるというものである。
もちろんプライバシー保護一辺倒というわけでは必ずしもなくて、イノベーションを阻害しないようにというわけだが、プライバシー保護が明確になることでイノベーションを支える機能もある。
具体的には、消費者の個人情報 personal information に対して現行法以上のアクセスと訂正、コントロールの権能を消費者に拡大することと、収集と共有の可能性を問題とすべき個人情報あるいはセンシティブな情報についての追加的なコントロールが必要かどうかを検討すること、データ収集の許される場面や方法について、必要なら改革をすること、ウェブ閲覧履歴追跡やモバイルデバイスの履歴のような新しい技術に関するプライバシーコントロール、これらの法的改革を求めている。
我が国においてもパーソナルデータの利用に関する検討が佳境を迎えているようだが、特に消費者のプライバシー保護が蔑ろにされることなく、実効性ある保護体制が構築されることが望ましい。
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