Big-dataの光と影
ビッグデータ活用の光と影をよく表した記事を読んだ。
WSJ:客室乗務員は何でもお見通し―顧客情報活用進める航空会社
よくまとまった記事なので、直接読んでもらいたいが、適切なビッグデータ利用の限界は、「カプチーノが好みだと知っておいてもらいたいが、飼い犬の名前まで知られたくない」という最後の顧客の言葉かもしれない。
それにつけても、カプチーノが好みだという点も含めて、データ利用に対する顧客の同意のあり方についてはこの記事で全くと言ってよいほど触れられていないのが気になる。
ウェブサイトの利用にせよ、機内販売にせよ、顧客データの収集蓄積分析再利用をするかどうかについては顧客が選択できるようにすべきではないのか?
いかに上顧客とはいえ、自分の利用履歴データや興味関心の方向を、少なくともマーケティングに使ってもらいたくないという権利は認められてしかるべきだ。それを越えて、飛行機会社の方が社内的な分析に使うとか、危険防止のために活用するとかは止むを得ないと思うが。
あと、テロとかハイジャックとかの防止のためには、この記事で紹介されているようなある意味牧歌的な個人情報の収集分析利用とは次元の異なる徹底した収集分析利用がなされており、それとの接続の可能性も考慮すべきかもしれない。
現代社会では、大小様々、公私様々なビッグブラザーが入り乱れてしまっているので、その善意に依存したシステムは全くあてにならないが、さりとて適切な法的枠組みというものがそう簡単にはできない状態になっている。
今思ったが、ビッグデータという言葉を使い始めた人は、ビッグブラザーを意識していたのかな。だとすると、もともとは唾棄すべき存在としてビッグデータと言い出したのだろうか?
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