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2013/10/15

Tcard問題:ホクネットの申入れ顛末

Tカード会員のポイント履歴が運営会社であるカルチャーコンビニエンスクラブとポイントプログラム参加企業との間で「共同利用」されている問題について、北海道の適格消費者団体「消費者支援ネット北海道」が質問と申入れをCCCに対してした経過が公表されている。

カルチュア・コンビニエンス・クラブとの申入れ経過について公開します【第3弾】

関連記事:consumer:消費者の個人情報や利用履歴の使われ方を気にした方がいい

カルチャーコンビニエンスクラブ側の主張は終始一貫していて、共同利用である上、第三者提供の要件は満たしているというものだ。

これに対してホクネットの方は、必ずしも個人情報保護法の規定にはこだわらず、消費者のプライバシーに属する情報、それもセンシティブと考えられる美容整形の利用履歴に絞って、これをCCCに提供することを消費者にきちんと説明して同意を得ているのかどうかという点を問いただし、同時に美容整形を営むポイントプログラム参加企業に対しても個別に、患者にきちんと説明して同意を得ているのかどうかを質問した。

これに対する回答がCCC側から来たのだが、上記リンク先のPDFファイルを見る限り、個々の美容整形からの回答も取りまとめるという趣旨のようである。
要点は、まず美容整形の利用履歴がCCCに提供されることについても、規約に基づいてTカードを提示することなどから同意があったものとみなしているので、それ以上に、個別に利用履歴がCCCへ提供されることについての口頭または文書による説明はしていないということである。

ただし、利用者にはより一層分かりやすくすべきだというホクネットの申入れの趣旨を汲んで、規約に注を付けるなどして、より分かりやすい表現にしたというのである。→T会員規約

2011年段階の規約と比較してみると、全般的に詳しく、わかりやすくしようという趣旨はにじみ出ているが、追加された注記は次のようなものである。

会員が、当社の連結対象会社もしくは持分法適用会社またはポイントプログラム参加企業(以下「ポイントプログラム参加企業等」といいます)において、T会員ネットサービス登録者として指定IDを入力し、またはTカードを提示(会員の申告によるTカード番号の提示も含みます。以下同じです)した場合、当該ポイントプログラム参加企業等から当社に対して、上記(2)、(6)または(8)の情報が提供されることについて、当該会員は同意したとみなします。当社は、当該提供される情報を取得し、本条の定めに従って取り扱います。

会員が、ポイントプログラム参加企業等においてT会員ネットサービス登録者として指定IDを入力せず、かつ、Tカードを提示しない場合、上記(2)、(6)または(8)の情報は、ポイントプログラム参加企業等から当社に対して提供されません。この場合、当該会員は、当該ポイントプログラム参加企業等におけるポイントサービス(ポイントの付与および使用を含みます)をご利用いただくことはできません。

また利用目的のところに従前はライフスタイル分析とのみ記載されていたものが、以下のように括弧書きを追加している。

会員のライフスタイル分析のため(ライフスタイル分析とは、会員の興味・関心に応じて、どのような情報やサービスなどを提供するのが効果的であるかを検討し、会員に提供しているサービスや情報の内容を充実させ、もしくは改善し、または新しいサービスを検討するために、会員の個人情報を、個人を特定できない状態に加工した上で、分析等を行うことを意味します)

ライフスタイル分析とは、会員の購入履歴利用履歴を分析し、特定の顧客の嗜好を明らかにした上で、これを個別化された広告宣伝に使うというものだったはずだが、個人を特定できない状態に加工した上で分析するとある。これを文字通り受け取るならば、個人利用者それぞれに見合ったターゲティング広告には利用しないということなのであろうか?
それとも分析は個人を特定できない状態に加工して行うが、その結果は再び個人情報と連結して、ターゲティング広告はするのであろうか?
その辺りは疑問がある。

さらにポイントプログラム参加企業との「共同利用」に関しては、利用目的を制限している。

但し、ポイントプログラム参加企業は、本条第3項の利用目的(1)または(5)においてのみ、個人情報を共同して利用いたします。

いわゆるライフスタイル分析はどうなるのか疑問があるが、定義上個人を特定できない状態に加工した情報は個人情報ではないので、その限りではポイントプログラム参加企業がその分析結果の提供を受けることもありうるのであろう。ただし、ポイントプログラム参加企業において個人の識別が可能なデータであれば、結局個人情報の取得と利用に当たることになる。

ともあれ、美容整形外科を利用し、Tカードでポイントを付けてもらった利用者は、その利用の事実がCCCに提供されることまでは確実である。仮にTSUTAYAでT会員登録をしたのだとすると、その時点では規約内容についての合意があったといえるかもしれない。
しかし、TSUTAYAで会員登録をする時点ではTSUTAYAでの利用しか考えられず、その同じカードが美容整形外科をでも使えること、そして美容整形外科でポイントを付けてもらえば美容整形利用履歴が(具体的な治療内容までもは含まれないとしても)CCCに提供されるということを、カード登録時点で予見可能だったとは到底言いがたい。つまりその会員登録時点での同意が美容整形外科利用履歴の「共同利用」にまで及ぶものとはいえないので、やはり美容整形外科利用時点では同意を得ないでプライバシー情報をCCCに流しているものと評価すべきである。

とはいえ、個人情報保護法の範囲内の問題かどうかは疑問があるし、また消費者契約法や景品表示法上の問題があるかどうかはもっと問題かもしれない。

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