崩壊する個人Privacy
Wired:「あなた」は特定可能:崩壊する個人プライヴァシー
昨日の函館でのセミナーでも強調したところではあるが、匿名の端末利用ログから個人を特定することがいかに容易かということを、この記事では述べている。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者であるイヴス=アレキサンダー・デモントジョイによれば、基地局情報から割り出された匿名通話者の位置記録といくつかの外部情報を組み合わせれば、国家のような権限がなくとも個人の特定は可能だという。
記事によれば、4つの位置情報を押さえて行動分析するだけで、95%の確率で個人が特定できるという研究結果だそうだ。
記事ではこれに加えて、SNSの書き込みや、電話番号などの情報と組み合わされることで、より容易に個人特定に結びつくという。
昨日のセミナーでは、サッカー選手とモデルのカップルのお泊りを書き込んだ女性バイトの話で、炎上して注目されると個人がたちどころに特定されるという話をしたが、そうしたスキャンダル歴が本名とともに記録されると、将来の就職、取引、結婚など、様々な場面で氏名を検索され、そのたびに悪行として蒸し返される可能性がある。
失うものがないと思っている若者が、おばかな所業をネットにアップするという流行も、匿名でやっているから大丈夫だと思っているのだとすれば、それは甘い。ということを誰かが教えてあげる必要がある。
加えて、個人を(直接)識別できる情報を削除することで「匿名化」したデータなら他者に利用させてもよいと安易に考えている企業(某国鉄とか)も、それは甘い。このことは鈴木正朝教授を中心としてかなり浸透してきたように思われる。
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