France:カナール・アンシェネ、その後
それによると、日本政府が大使館を通じて抗議すると言ったので、1週間ははたして大使が来るのか、冷酒を持ってくるのだろうかと本社では興奮して待っていたのだけど、結局誰も来ず拍子抜けだった。ただフジワラさんという人から電話で抗議と謝罪を求めるメッセージが寄せられ、翌日、手紙も来たという。
その他に、メールでは汚い日本語と英語によるメッセージがたくさん寄せられたそうだが、それらはまともに相手をするものとは思えなかったようだ。
臆病な日本大使館の姿勢とは裏腹に、内外のメディアは、本社に殺到し、謝罪するのかと聞くのだが、何に謝罪するのかというのが正直なところだという。
その後、欧州原子核研究機構CERNが伝えている日本政府と東電の失敗の数々を列挙し、残念なのはこれらの数々を伝えなければならないことだとして、記事を終えている。
ということで、日本政府は国内的な姿勢と裏腹に、電話と手紙で抗議しただけだったようだし、それにはかなり軽蔑的なトーンでLe Canard Enchaînéに書かれている。フランス人的には、風刺画がどのような意味で問題なのか、議論する事こそ必要なことであって、一片の抗議書面を送りつけるだけでは何もしたことにならないというのであろう。
それともう一つ、日本だとお馴染みの非難のメッセージをこの件についてもLe Canard Enchaînéに送りつけて、またまた日本の恥を晒したようである。国内外に関わらず、気にいらない言動を見つけては罵声と脅迫文言のメールや書き込みを送りつけるというやり方は、もちろん日本人特有ではなくアメリカとか韓国とか場合によってフランスでも起こることではあるが、ただ恥さらしなだけである。日本では、なぜかそのような罵声と脅迫が殺到して炎上すると、とにかく謝るという対応をすることが多く、責任者の無責任ぶりをさらけ出して、ますます罵声と脅迫を助長するのだが、恥さらしであることには変わりない。
言論の自由には批判の自由も当然含まれ、気に入らない言動に対して批判することはできるし、それはむしろ推奨されることでもある。しかし、罵声をあびせたり脅迫文言を書き連ねたりして送りつける行為は、批判というには値しない。それは言論の自由の範疇には入らず、むしろ言論の自由を脅かすものである。そのレベルの反応で終始すれば、インターネットの自由に規制が必要だという権力に好材料を与えることになる。
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