Book:冤罪死刑
テーマがやや重そうで、買ってからしばらくたったが、昨日読み始めて一気読みしてしまった。おかげで今朝は寝不足気味である。
ストーリーは、幼児の誘拐殺人で逮捕された人の上告審を担当する女性弁護士と、その事件を調査する通信社記者の活動との二元中継で展開されるが、さらに加えて、別の幼児誘拐殺人犯の物語や、別の通信社記者の行き過ぎ取材、別の大学内スキャンダル、その他二、三のサイドストーリーが絡み合って、重層構造に読者が迷う仕組みである。
いずれも、必然性があって出てくるんだということかもしれないが、作品論的にはちょって理屈が先に立っていそうな感じはする。
それはともかく、死刑と冤罪が主要テーマであり、法と制度について丹念に書き込まれているので、リーガル・サスペンスとして違和感なく読める。
でもエンターテイメントなので、現実の様々な事件が取り上げられているとはいっても、死刑問題なり冤罪問題なりを深く追及しているわけではない。あくまで小説として楽しもう。
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