politique:雇用の不安定化政策の成果:持ち家比率の低下
雇用を蔑ろにし、人間を景気変動の調整弁とばかりに非正規雇用を増やし、さらには解雇を自由に行えるよう、ダメなら解雇しやすい正社員カテゴリーを作ろうというのが自民党政権と財界の一致した方針だが、その結果が若い世代の持ち家比率低下に現れている。
40歳未満の若者の持ち家比率が1983年から08年の25年間で42.2%から28.4%へと約14ポイント低下した。賃金伸び悩みで、民間の賃貸住宅に住む傾向が強まった。
30~39歳の持ち家比率は53.3%から39%へと約14ポイント低下した。30歳未満は17.9%から7.5%へ約10ポイント下がった。20~30代の持ち家志向は11年に75.5%と高いが、実際には実現していないことが浮き彫りになった。
この間の労働環境が、雇用の不安定化を突き進んできていることは周知のことだが、一応統計を示しておくと、2012年の厚労省白書pdfが参考になる。
ここでは、1984年から2012年までの非正規雇用の増大がグラフで示され、しかも、その原因は高年齢化によるものではなく、ほとんど同一年齢層内の非正規雇用増大で説明がつくという。
そして非正規雇用の場合の賃金格差は明らかで、特に派遣社員は景気変動による解雇が顕著に行われ、文字通りのバッファ扱いである。その上、常雇となっても任期付職員であり、将来的な不安定さを抱えている。
こうした雇用形態が増大しているのであるから、長期の住宅ローンを必要とする持ち家取得は、いくら希望しても見果てぬ夢となるのは道理だ。
住宅建設の動向は景気に与える影響が大きいものと思われるが、労働者の雇用を痛めつけ、賃金を下げる政策のお陰で、すっかり構造不況に陥り、デフレの一因ともなっている。
これに対する現在の政策は、バブル喚起の金融政策だが、誰も買えないマンションを建築資金だけ融資しても、焦げ付き確実な(不)約束手形みたいなものであろう。
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