NET選挙の効用
ネットを使った選挙運動が解禁されて初めての選挙運動が今日までとなる。
個人的には、いわゆるネット選挙は極めて有意義であった。
いつもなら、選挙公報と政見放送が候補者や党の主張のリソースであり、その他は選挙報道を見て、なんとなくムードにも流されつつ、投票日を迎えるという感じであった。そのような報道中心の盛り上がりが欠ける地方選では、全く手がかりがないので棄権したことすら、あった。
しかし、今回の参院選は、期日前投票を済ませたのだが、投票に行く前日に、ネットで各候補の政見等を見ることが出来た。
SNSを用いた選挙運動というのは、正直言ってあまり意義を感じなかった。というのも、TwitterにせよFBにせよ、リアルタイムに近い形で情報がやりとりされることと、双方向のやり取りとが特徴なのだが、いずれも短期間の選挙運動には向かない。
Twitterによる演説日程の公表は、支持者や陣営にアナウンスするのには有用でも、一般有権者を惹きつけるものではない。その他、選挙カーによる一方的な連呼と同じ事をTwitterでやられると、街頭で聞かされる以上にイラつくし、街頭と異なりリムーブできるので、逆効果の度合いも高い。
結局Twitterでは、サードパーティたる津田大介さんなどが主催する討論会の媒体として使われるときに、もっとも選挙運動的に機能したのではないか。つまりテレビのやってきたことのネットバージョンである。
FBでは、割合と双方向的なやり取りが機能していたようにも思う。もっとも態度を決めていない人に、双方向的なやり取りを通じて支持を広げていくというのは、やはり無理があるかもしれない。そのやり取りはどうしても荒れがちであるから。支持者と候補者とのほのぼのとしたやり取りはあっても、見解の違いをぶつけあうときに、どうしてもバトルフィールドとなりやすく、そうなれば逆効果もある。
私自身がFBページを使いこなしていないせいもあって、FBを選挙のためにどう使えばよいのかは、ちょっとよくわからない。ただ、動画あり、画像あり、双方向のやり取りありで、しかもリツイートと同様のシェアによる広がりも期待できて、それなりに使い出があるものと思う。
今回の政治家が発するFBメッセージで、リアルタイムなものに私が反応したのは、鈴木寛候補殴打事件だ。これは、その出来事が発生したことも、その後の経緯も、ネット上だけで知ったものであり、その情報をシェアしたり、ブログで取り上げたりした。
しかし、いずれにしても、選挙期間中だけ使うというツールではない。リアルな社会の後援会のように、常日頃からの情報発信とシンパ、あるいはせめて興味を持つ有権者をつなぎとめておくことが重要なのであり、それは必然的に選挙期間中の効果だけを目指したものと言うよりは日常的な政治活動のツールとして、活用することにほかならない。
例えば、私は河野太郎氏のメルマガを有料で購読し、FBやTwitterでもフォローしている。実はメルマガの内容は無料のページで読めるので、有料メルマガに登録するというのは一種の政治献金の意味である。
河野太郎議員の言動すべてを支持するものではもちろんなく(何よりも彼は自民党員だ)、選挙区民でもないから投票することもないのだが、それなりにリベラルで率直な政治姿勢や公務員に対する姿勢などは評価している。
彼が選挙運動に突入して、そのためのメッセージを出すようになれば、その中の興味を持った部分をリツイートなりシェアなりして広める役割を、私も引き受けるに違いない。口コミの一つの口にはなるであろう。
その結果、候補者の選挙運動の伝播力が強まること、これがSNSの強みだとすれば、恒常的な浸透が大事である。
もう一つ、選挙が終われば、SNSも御用済みと考える政治家が多く発生するだろうが、そういう政治家は早々に滅びて欲しいので、そのように考える人はそうすることが望ましい。
上記の通り、日常的な政治活動の場として活用することが選挙期間中の強みにつながるのだから、選挙が終わればもう次の選挙のための活動の場として、益々活用することが必要だ。そしてそういう時期における政治家のナマの動きこそ、一般利用者は興味をもつところなのである。
なお、ビッグデータ分析による選挙への活用は、全くの別論だ。
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