edu:グローバリズムといえば疑うことを知らない大学関係者へ
イエール大学の元学長が次のように書いている。一部伏字は引用者たる私。(末尾に追記あり)
シュミット元学長は「講義や教員、学生、校舎が多いだけ」とし、○○政府とその下部機関によるランキングや「世界トップ100大学」のようなものばかりが評価の尺度になっていることについては「経済的な成功を教育的な成功と勘違いしている」と指摘。○○人がそうしたランキングにプライドを感じてさえいることを「これは人類史上最大のお笑い草だ」痛烈に批判した。
これを読んで浮かんだ私の感想。
教育のグローバル化といえば疑うことを知らず、ランキングはその評価基準を一顧だにせずに参考になるものだとして資料に加えてくる某大学執行部や、その手下の官僚どもや、その親分筋たる某官庁の連中に読ませてやりたい。
上記の記事は、ヤフーに翻訳紹介されていたイェール大元学長が中国の大学を批評、「人類史上最大のお笑い草」―米華字メディアというもので、批判されているのは中国の大学と政府なのだが、当然ながら日本にも、上記伏字記事や私の感想を見て自分のことが言われていると思って腹を立てたエライさんがたくさんいるはずだ。
いや、そもそも自分のことが言われていると感じることが出来れば、まだ救いがあるというものだが。
それにしても、アメリカ人がいうとはねぇ。イギリス人ならともかく。
個々のアメリカ人の思想はともかくとして、グローバリズムで世界を席巻しようというし、ランキング大好き、教育的成功と経済的成功と勘違いするも何も、同一のものだという価値観は、アメリカというキーワードの下で世界に広まり、侵食しているというのが現状だ。
でもとにかく、経済的成功に評価基準を置くような大学ランキングをありがたがったり羨ましがったりしている皆さん、アメリカ人からは「人類史上最大のお笑い草」と言われてしまうようですよ。
追記:イエール大学のコメントでは、上記発言は否認されている。
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