Book:琉球王国
ようやく読み終えることが出来たが、テレビドラマを通じてしか知らない沖縄の近代以前をたどることが出来た。
中国との交易により独立国としての基盤を得た海洋国家が、明・清の両代を通じて冊封体制に組み込まれていった一方、薩摩藩と、その背後の江戸幕府による複層的な支配を次第に強く受けてきたというのが、琉球王国の大まかな外交史であり、その終焉は、いわゆる琉球処分であった。
琉球の独立論というのは、現時点で現実的な問題かどうか大いに疑問で、琉球処分から日清戦争に至るまでの王国復興運動へのノスタルジックな感情にも思えるが、英国のスコットランドのような例を思い出すと、Okinawa National Partyみたいなのがあっても不思議ではない。
ま、スコットランドには、沖縄にとっても中国のような存在はないわけだし、沖縄が負っている重い基地負担とか、地政学的な微妙さ危うさもスコットランドとは比較にならない要素だが、経済的には琉球諸島周辺の海洋資源を独占できれば、独立国の基盤になるかもしれない。
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