law:面会交流強行論に梶村太市教授が一撃
梶村教授は、面会交流が実体的権利であることを前提としている面会交流原則的実施論(むしろ原則的強行実施論ともいいたいとする)が民法766条の立法経過や趣旨、最高裁判例の趣旨に反し、理論的根拠もなく、その強行は子の利益を害する蓋然性が高く、我が国の伝統的な子育て文化を破壊しかねず、場合によっては権力による「児童虐待」であって子どもへのいじめともなりかねないと、痛烈に批判している。
だからといって間接強制が一切許されなくなるというわけではない。かつての梶村説は間接強制否定説だったが、この論文では、「債務者側や子どもの事情等から考えて、間接強制してでも面会交流を実現することが子の利益に適う特別の事情がある場合には、間接強制も許される」とされるが、これはもちろん面会交流原則的実施論に立つものではない。
ということで、面会交流と間接強制に関する議論をするには必読の論文だ。
| 固定リンク
「法と女性」カテゴリの記事
- 外国で結婚した日本人夫婦の婚姻届提出とその後の処理(2022.04.22)
- AV出演契約の拘束力は性的自己決定権放棄の限度で強制不能(2022.03.26)
- 親子法制の改正要綱案2022〜懲戒権と再婚禁止期間の撤廃(2022.02.01)
- Book:女たちのポリティクス(読後感)(2021.08.22)
- 同性婚と選択的夫婦別姓(2021.05.03)
コメント