America:訴訟社会の一端
アメリカの訴訟社会ぶりを感じさせるニュースだ。
nikkei:ニューヨーク市のソーダ制限令、施行差し止め 州裁判所
映画館などでの16オンス(約470ミリリットル)以上の大きさのボトルやカップの販売を禁止する市条例について、施行差し止めを求められた裁判所が、この訴えを認容したというものである。
アメリカでは珍しい事件でもないかもしれないが、日本の感覚からすれば、この種の行政庁の行為を司法から差し止めるよう求めるのは珍しいし、それが認められることは極めて珍しい。
つい先日の選挙について、投票価値が不平等だとして選挙の実施差止めを求めたのは記憶に新しいが、事後的に違憲判決を下し、しかも既に実施してしまった選挙を無効とすると影響が甚大だとして事情判決を下すような裁判所が、事前差止めは認めないわけである。
このほか、保育所の閉鎖とか、違法と主張される建設などの差止めも、民間ではありえても、行政に対して行われるのは稀有である。
この辺り、三権分立の考え方や、そもそも司法権に対する一般の見方(紛争解決の道具としてではなく、悪を裁くお白州のイメージ)などに影響されているのかもしれない。
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