information:ビッグデータと個人情報・プライバシー
第2回「ビッグデータと統計学研究集会」では、個人情報ないしプライバシーがビッグデータ活用へ立ちはだかる壁として意識されていることが随所に出ていた。
最初の基調講演で椿広計・統計数理研究所副所長のお話では、医療データの利用ということが中心であったが、そのデータ量の多さ、多様さから、それを存分に分析すれば極めて豊かなデータが得られそうである。
例えば薬の投与記録を集計すれば、不適切な薬の飲み合わせをしているケースがたちどころに見つかる。しかしながら、患者のデータと紐付けされたデータは使うことが出来ず、薬の危険なの見合わせをしている患者にその事実をフィードバックすることができない。
椿先生の趣旨は、患者にフィードバックしたいということでは必ずしもなく、その有用性とプライバシー保護とのジレンマがあるということである。
薬や医薬のデータは極めてセンシティブであり、かつ漏れたらダメージが大きく、感染症などでも差別の原因になったりするし、遺伝的な特性は世代を超えた差別にも結びつく。
従って、有用性が分かっていても利用が制限される。
懇親会でお話したところによれば、実験データなども厳しく利用が制限されているとのことである。
これに対して、各種の履歴情報を集約したデータの商用利用は、それがリコメンド機能のために用いられる以上、特定の個人を識別できるデータとならざるを得ない。
それがどこまで許されるのか、情報主体の同意はどの程度具体的に要求されるのか、あるいは包括的な同意で足りるのかなど、まだ議論は落ち着きを見せていない。
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コメント
この人、ビックデータを活用しようという立場の人。
読んでも参考にならない。そのクセ消費者保護とか云うから信用できない。
投稿: * | 2013/02/05 10:46