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2012/08/16

France:セクハラに関する新法

このブログで以前に「Franceではセクハラが曖昧すぎて違憲、モラハラも停止中」として紹介したフランス刑法典のセクハラ禁止条文だが、憲法院による違憲判決を受けて削除された条文が新しくなって登場した。

Legifrance:セクシャルハラスメントに関する2012年8月6日法律2012-954号

この法律により作られた新しい刑法典222-33条は以下の通り。

I. - Le harcèlement sexuel est le fait d'imposer à une personne, de façon répétée, des propos ou comportements à connotation sexuelle qui soit portent atteinte à sa dignité en raison de leur caractère dégradant ou humiliant, soit créent à son encontre une situation intimidante, hostile ou offensante.

II. - Est assimilé au harcèlement sexuel le fait, même non répété, d'user de toute forme de pression grave dans le but réel ou apparent d'obtenir un acte de nature sexuelle, que celui-ci soit recherché au profit de l'auteur des faits ou au profit d'un tiers.

III. - Les faits mentionnés aux I et II sont punis de deux ans d'emprisonnement et de 30 000 € d'amende.

Ces peines sont portées à trois ans d'emprisonnement et 45 000 € d'amende lorsque les faits sont commis :

1° Par une personne qui abuse de l'autorité que lui confèrent ses fonctions ;

2° Sur un mineur de quinze ans ;

3° Sur une personne dont la particulière vulnérabilité, due à son âge, à une maladie, à une infirmité, à une déficience physique ou psychique ou à un état de grossesse, est apparente ou connue de leur auteur ;

4° Sur une personne dont la particulière vulnérabilité ou dépendance résultant de la précarité de sa situation économique ou sociale est apparente ou connue de leur auteur ;

5° Par plusieurs personnes agissant en qualité d'auteur ou de complice.


フランス憲法院が曖昧だとして違憲判断を下した条文が「他人に対して、性的な利益を得る目的で嫌がらせをする行為」というものであったから、より詳細に、かつ、より広く、セクハラ行為を定義したものといえよう。

条文仮訳は以下の通り。

 I. セクシャルハラスメントとは、性的な含意をもつ発言や振る舞いで、下品もしくは屈辱的な性質で尊厳を傷つけるもの、または相手を脅威、敵意もしくは侮辱する状態にさせるものを、人に対して反復する行為をいう。
 II. 反復されなくとも、性的行為をさせる目的が実質的または外見的に認められる中で、重大な強要行為を行い、それが行為者または第三者の利益のためになされた場合には、その行為をセクシャルハラスメントとみなす。
 III. IまたはII所定の行為をした者は、2年の拘禁および3万ユーロの罰金に処す。
 以下の場合には、3年の拘禁および4万5千ユーロの罰金に処す。
1号 職業上の権威を濫用して行った場合
2号 15歳以下の者に対して行った場合
3号 年齢、疾病、虚弱性、肉体的もしくは精神的な障害、または妊娠のために特に脆弱であることが明らかな人に対して、または行為者がその脆弱性を知って行った場合
4号 経済的または社会的な不安定さからもたらされる脆弱性または依存性が明らかな人に対して、または行為者がその脆弱性または依存性を知って行った場合
5号 行為者または共犯者が複数人で行った場合

この条文(その他2012年8月6日法律で制定された他の条文も含む)に対する法務省の検察官向け解釈通達PDFは、法務省サイトで公表されている。

この改正条文は2012年8月8日に施行された。

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コメント

これを以て日本での普及は、極めて「甘い考え」だと思います。

投稿: 山路高史 | 2012/08/17 17:17

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