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2012/08/28

Building:小菅の東京拘置所旧庁舎

東京拘置所が新しくなり、歴史ある旧庁舎の保存が課題となっている。

毎日:東京拘置所:旧庁舎の保存検討 チャプリン絶賛の名建築

法務省管轄下の建築では、旧法務省赤レンガ庁舎が代表格であり、東京駅などと並んでかつての「帝都」を象徴する建物となっている。
監獄というと、有名なのは網走監獄で、これは観光名所となっている。他に金沢監獄の一部が明治村にある。
刑務所の保存は、長崎などでも問題となり、正門だけの保存がなされたと記憶している。
拘置所が保存された例というのはあるのだろうか?

司法関係に目を広げてみると、旧控訴院(戦前の高等裁判所に相当)が保存されているのが札幌市と名古屋市であり、実に貴重な存在となっている。
こういうのは、もちろん保存するかどうかが問題となっていた時期には予算の問題もあり、場所の有効活用の問題もあり、裁判所などといった一種の迷惑施設に対する地元の偏見もあり、保存に対する抵抗は相当に強かっただろうと思われる。その抵抗を排して、歯を食いしばって残したことの賢さにより、今の我々が様々に恩恵を被っているわけである。

ちなみに、海外では保存された矯正施設が結構あり(例えばメルボルン監獄)、このブログでも紹介したヘルシンキのようなホテルに使われている例もある。考えてみれば、フランス破毀院はマリー・アントワネットが収容された拘置所の建物でもあったし、ロンドン塔は数多くの貴族王族らが収容された拘置所であった。

刑務所や拘置所は、その使用目的から建築物として特徴的であり、建築史的な価値も高い(この点は裁判所も同様である)し、海外で見られるような著名人のいたところという見所もあるし、社会の歴史を残すという意味で保存の価値が高い存在だ。

そういうわけで、東京拘置所の旧庁舎、既に名建築の誉れも高く、是非とも保存する方向で、様々な抵抗を排して頑張ってもらいたい。

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