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2012/07/20

net:出会い系サイトは出会えるのか?(2)

最近の裁判例は、出会い系サイトに関係した事件がとても多く見られる。刑事事件になったものも、民事事件になったものも。

出会い系サイトを通じて知り合った女性に乱暴をしたり金を奪ったりといったケースの典型例は、蘭越町殺人事件と呼ばれる事件で、札幌地裁平成22年3月29日判決(PDF判決全文)が無期懲役を宣告している。ただし、この事件は直接証拠がなく、状況証拠の積み重ねであり、被告人は無実を訴えていた事件だが。

先生の犯罪では、福岡地裁平成22年2月22日判決で、女子中高生9人と出会い系サイトで知り合ってわいせつ行為を行い携帯電話のカメラで裸を撮ったという34歳の高校教師の例がある。

名古屋地裁岡崎支部平成23年6月13日は、出会い系サイトで知り合った女性に対する強盗殺人未遂であり、求刑以上の懲役16年を宣告した裁判員裁判だ。上告審も支持している。

この他出会い系サイトという単語は使っていないものの、インターネットサイトとか、携帯電話のお見合いサイトとか、単に携帯電話サイトとか、女性が被害に合うケースは多々存在する。

男性が被害に遭う美人局ケースも沢山あるが、近年報じられているものでは女性が被害に遭うケースが目立っている。

なお、出会い系サイトと称する売春サイトも健在のようで、特に最高裁平成23年8月24日決定刑集65巻5号889頁(PDF決定全文)は興味深い。サイト事業者の男性従業員が女の子になりすまして客を釣り、交渉成立した客のもとには売春婦を差し向けたというのだが、これが売春の周旋と言えるのかという点が争われた。客の方は女の子とメールのやりとりをしていると思っていたのであり、周旋されたとは思っていないから、その行為は周旋行為と言えないという理屈である。最高裁はアホか、と一蹴した。

民事事件では、夫が出会い系サイトで知り合った女性と浮気したとして、妻が損害賠償を求めた東京地裁平成23年1月11日判決の事例、逆に出会い系サイトで知り合って同居するに至ったカップルが、後に泥仕合を演じて別れることになり、金銭トラブルになった東京地裁平成23年3月11日判決、その他出会い系という単語は使っていないもののネット知り合いで不倫とかカップルになったケースが散見される。

大体裁判例を通じて世の中を見ると、不幸な転機をたどったものがほとんどなので、世の中そういうものだという誤解が生じてしまうが、ともかく出会い系サイトで知り合ったカップルというのは存在する。

結論として、出会い系サイトは、案外出会いの場として機能しているようである。

ただし、近年問題が深刻化しているサクラサイトのワナも沢山あることはいうまでもない。さいたま地裁越谷支部平成23年8月8日判決は、出会い系のサクラサイトでの利用料600万円を、サクラであることを理由に返還請求して認められた事例だが、勝訴判決を得るということと実際にお金を取り返せるということとは全く別物であり、この事件の原告女性が金を取り返せたかどうかは分からない。

出会い系サイトがビジネスモデルとしている有料メール交換サービスも、Yahoo!パートナーのように半年でいくらという期間課金であれば、一応安心といえる。一通いくらで、最初は無料ポイントで釣るというところは、深みにハマる可能性があり、利用には強靭な精神力または巨大な財布が必要であろう。

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