consumer:消費者の個人情報や利用履歴の使われ方を気にした方がいい
消費者問題というと、食品偽装や欠陥商品という生命身体に関わるジャンルと、悪徳商法・詐欺商法などの契約や財産に関わるジャンルとがあり、それぞれにメジャーな分野となっている。
しかし、個人情報とか、消費行動履歴とか、プライバシーに関わるジャンルには、消費者問題としての関心があまり集まらない。
このところ、立て続けに色々なところでネットと消費者に関わるトラブル例を題材に話をする機会があるが、最近の個人情報ないしプライバシーと消費者の問題で無視できないのは以下のような事例だ。
・カレログ事件
カレログのサイトは今も健在のようだが、ともかく、自分の携帯の挙動履歴を逐一報告するソフトなど、自分じゃ入れない。しかし彼女から頼まれたら、入れざるを得なくなることは想像に難くない。同意といってもガンマンシテュエーションにおける同意では、真の同意とはいい難い。
・連絡先データの送信アプリ
スマホのアンドロイド用アプリに、インストールしたスマホの連絡先データを収集して勝手に送信するアプリがあったことが分かり、警察がウィルス作成提供罪で摘発するという騒ぎになっている。最近の例では、携帯の電池長持ちアプリというのがこの種のアプリだとされて話題になっている。
・Tポイントカードの普及に伴うデータ蓄積再活用の問題
佐賀県武雄市の図書館にTポイントカードを導入するという話から一挙に盛り上がった問題だが、図書閲覧貸出履歴がTポイントカード運営主体たるCCCに流れてマーケティング資料とされるのではないか、そしてそもそもTポイントカードを導入した店舗の購入履歴や購入商品の情報がCCCに流れて集約されルのではないかという問題である。
導入店舗には薬局も含まれていることから、秘密漏示罪になるのではないかということさえも指摘されている。
これらに関連して、マイナンバー法案が成立した暁には、どのような使われ方をされるのか、あるいは民間のビッグデータ活用ブームはちょっと前のDPI騒動の二の舞になるのではないかとか、中止しておくべきトピックが多い。
そして、消費者問題としてこれらのプライバシー問題を分析検討する専門家が、あまりに少ないのではないだろうか?
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