Franceミニテルの終焉
ミニテルは、フランスのキャプテンシステムのようなものだが、今年の6月30日をもってサービスが終了するそうである。
正直、まだ生き残っていたのかーーーと驚きを禁じ得ない。
FRANCE INFO: "3615 recyclage" pour le Minitel
ミニテル普及の鍵は二つあった。
一つは、端末を電話帳がわりに無料配布したこと。端末は貸与で通信回線は電話線を用いたし、電話帳のコストが軽減された。加えて電話帳よりはコミュニケーションツールとしてはるかに優れていたから、ハイテク好きのフランス人には大いに受けたのだろう。
もう一つはminitel roseという、エロサイトというか出会い系サイトというか、要するに風俗サイトの普及だ。これは体験しなかったので正確なところはよくわからないが、文献によればアクセスしてアクセス料が高額なばかりでなく、プロの女性とのコミュニケーションが可能になるものだったようで、私が留学した1993年当時はパリにもリヨンにも、写真のようなミニテルローズの宣伝ポスターが沢山貼られていた。
しかしまあ、この種のエロは普及の鍵だとしても、そればかりではない。ミニテルを通じてコンサートチケットを予約購入することもできたし、SNCF、すなわちフランス国鉄の時刻案内や予約には随分お世話になった。
そして、フランスの判例データベースも、JURIS-DATAという名称でミニテルを通じて提供されていた。ただし、会員登録と結構高い(それこそエロサイト並)の情報料が必要だったこともあり、紙媒体よりも便利にも思えなかったこともあり(何しろダウンロードもできない)、大学図書館が使えたので、私には必要がなかったのでアクセスしていない。
その後、インターネットの普及がミニテルにより遅れたことは事実としてあると思う(多くのフランス人がそうだそうだという)。
上記の記事は、フランス・テレコムがリサイクルのためにミニテルを回収するというニュースである。これで名実ともにミニテルが終焉するわけだ。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 令和6年能登半島地震(2024.01.02)
- news:あの神戸市で組体操を強行し、51人も怪我をさせた(2019.10.08)
- やりがい搾取に根性論で応じるけど、それでいいのかOlympique(2019.08.11)
- Disparue;ティフェンヌ・ベロンさんを探せ(2018.10.30)
- FLASH:山尾しおりさんへの取材が酷いらしい(2017.11.10)
コメント