nuk:北電泊原発3号機は5月5日頃定期検査入り
日本国内の稼動している原子力発電所は、定期検査のための運転停止の後、運転再開にゴーサインがでないことから、次々停止中のままとなっている。
定期検査の時期が最後に来る予定なのが泊原発3号機で、それが5月5日頃に予定されている。それまでに運転再開する原発が現れなければ、すべての原発が運転を止めることになる。
原発推進の方々がこの事態を憂慮して、運転の早期再開を求めているのは当然として、脱原発を唱える人々は一枚岩ではない。
反原発の立場から即時廃止を求める人々は、もちろんこの事態を歓迎している。
これに対して、将来的には原発に依存しない社会を作りたいという、いわば穏健派は、なんとなく落ち着かない。
原発が停止されるのは、まあよいとしても、電力はどうなるのか、停止しただけでは問題が解決しないではないか、地球温暖化はどうなると、色々と懸念はある。そのような懸念の一方で、運転再開に賛成する気にも、なかなか、なれない。
原発の運転再開に賛成するとすれば、どうしても解決すべき課題が、少なくとも2つあろう。
第一は言うまでもなく安全安心な運転が可能かということで、福島第一原発のような事故が現実に起こってしまった上に、想定外だのと責任逃れの言辞を弄する姿を見せつけてくれたのだから、もう事故は絶対起こりえないなどという言葉に信用を取り戻すのは相当に難しい。
原発立地の地元は、多額の交付金や寄付を得られ、雇用も創出されるということで、受け入れてきたということだが、今までは単なる迷惑施設の受け入れの見返りのつもりだった。しかし、今後は、事故のリスクがあることを現実のものとして、事故が起きたら立地周辺地域が死の街と化すリスクも現実のものとして、受け入れる覚悟が必要である。
そう考えると、もう金を貰えば我慢するという範囲を越えている。一度事故が起これば、全住民が30年以上にわたって避難生活を余儀なくされるなどというリスクは、とても引き受けられるものではない。ましてや、事故が起こっても「想定外だ」と口を拭い、誰一人として刑事罰を受けるでもなく、経営者も責任を取るでもなく、会社も倒産せず、事故処理費用が経営を圧迫すれば、税金で援助もしてもらえる。事故が起こっても、電力会社のエライさんや株主や大口債権者は困らないのである。そんな連中が安全対策にかけるべき金をケチっているというのは想像に難くないのだ。
第二に、使用済み核燃料の処理について、原発サイトのプールに貯蔵するだけでなく、せめて中間貯蔵設備に移動する目処がついていないと、とてもとても運転再開に賛成する気にはならない。水に入れておけば大丈夫というわけではないことも、よく分かった。
5月まではまだ時間があるし、本当にヤル気があるのなら、是非とも使用済み核燃料の一時的な貯蔵、できれば中間処理施設について目処を付けて実現に踏み出してから、さらなる使用済み核燃料を創りだす運転再開をすべきだ。
いつまでも下水がつながっていない水洗トイレで我慢しろと言われても、限界があるのだ。
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