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2012/01/23

news:だから信用出来ない原子力ムラと政府

この夏、相変わらずの猛暑の中節電のためエアコンを控えめにした人は多かろう。
私も、横浜の家では「心頭滅却すれば火もまた涼し」などとい非合理な呪文を唱えつつ、我慢をした。

その努力が実を結んで、電力不足には陥らなかったと思っていたら、もともと電力は足りていたという脱力系のニュースが出ている。

毎日jp:電力需給:政府今夏試算「6%余裕」伏せる

今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。現在、原発は54基中49基が停止し、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎える。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。

記事中で「今夏」とあるのは、昨年の夏のことのようで、問題の試算は政府のエネルギー・環境会議が昨年7月にまとめたものである。

国家戦略室が再試算させたことにより、この試算の問題点として、以下の諸点が判明したという。
・再生可能エネルギー容量は759万キロワット(原発約7基分)あったのに、公表された試算は供給ゼロ
・火力発電所の定期検査による稼働停止時期を猛暑の8月に設定
・「需給調整契約」による削減見込みもゼロ
・「揚水発電」の供給力も低めに設定

これらを織り込んで再度の試算をすると、電力使用制限令を発動しなくとも最大6.0%の余裕があったというのである。

ま、最大6.0%の余裕ということは、楽観的な見通しの前提がどこか崩れると、最大値でなくなるわけで、節電が不要ということにはならないとも思う。というか、シェア30%を占める原発由来電力が全部なくなれば、常識的にいって従来と同様の電力使用が維持できないことくらい素人でも分かる。
我々一般国民でもその程度の常識的判断力は備えているはずだが、どうも政府の役人の頭には、国民の判断能力を著しく低く見ているとしか思えない。

要するに愚民思想なのである。

その上で、一部の政府役人は、原発の必要性を実際以上に誇張したいという意図もあったのかもしれない。
この辺は、国土交通省が出してくる高速道路の需要予測データとか、地方空港の利用予測データとかと同様で、「需要あり、採算とれる」の結論が決まっていて、それに合致するデータだけを集めるとか(この場合も全くのでっち上げは少なく、可能性がないわけではないデータを取り出すのだろう)、種々報じられたヤラセ癖とか、一定の政策目的を達成するため手段は選ばないという性癖にもよるのだろう。

実のところ、電力不足には陥らないという予測もあったのに隠していただろうという非難は、それこそ節電真っ盛りの時期からあった。一部のジャーナリストがネットメディアなどでさんざん述べていたことであった。
その意味で、今回、上記のような記事にもあまり驚きはない。
ただ、政府が出してくる科学的データに基づくらしき主張に対して、不信がより深くなっただけである。

さて、その政府が、熱心に秘密保全法の制定を急いでいる(→secret:秘密保全法制報告書パブリックコメント)のだが、秘密保全法の前提は、秘密指定をする政府の機関の判断力を信じられるというところにある。なにしろ秘密であるから、秘密指定された情報の真偽や本当に秘密とする必要が有るのかどうかということは我々一般国民が考えることすら出来ない。
実は尖閣諸島の漁船ビデオのように、なぜ秘密とするのか全く理解不能なものを一方的に秘密指定されても、中身をみて秘密性の有無を判断する機会はなくなるし、リークは重罪となる。

そんな法制は、ヤラセ体質・隠蔽体質で愚民思想の持ち主で、場合によってはインサイダー取引なんかもやっちゃう政府の構成員に、余程の信頼がなければできないことだ。

国会議員のみなさんも、あれだけ公務員叩きをしている割に、監視不可能な権限を公務員に委ねる法案を本当に通すのであろうか?

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