TV:ティーン・コートが1月10日から日テレで始まる
日本のドラマについては上記のサイトをご覧いただくとして、アメリカのティーン・コートのサイトを幾つか紹介しよう。
アリゾナ州のPima Countyにあるティーン・コートは、典型的なティーン・コートで、裁判官をプロの裁判官が務めるほか、検事、弁護人、陪審員、書記官はすべて少年少女たちで構成される。
1995年に設立されて以来、5000件以上の事件を扱ってきた。
ティーン・コートが扱える犯罪類型は、万引きや暴行、アルコールやタバコ、禁止薬物の乱用、学校での妨害行為や不法侵入、虚偽申告、武器所持などである。
そして非行を犯したものとして認定された少年たちが希望すれば、このティーン・コートで量刑を決められる。
その量刑とは、法遵守のための責任ある態度を醸成するためのワークショップに必ず参加すること、被害者への謝罪の手紙を書くこと、将来ティーン・コートの陪審員を務めること、そして欲望や怒りをコントロールするためのワークショップもある。さらに、被害者や家族間での諍いについて調停(Mediation)プログラムも提供される。これに加えて市民奉仕作業への従事も命じられる。
当然ながら、加害少年の親も呼び出され、ワークショップや奉仕作業などに立ち会うことも求められる。
ティーン・コートの審理は次のように進む。
まず加害少年がなぜ非行を犯したか説明し、その時に親も陳述を許される。
これらの陳述に基づいて、少年陪審が評決を下す。その評決は、有罪無罪を決めるのではなく、上記の量刑(建設的措置と呼ばれる)を決めるものだ。
その後、加害少年の家族はワークショップの予定を係と打合せ、同時に30日から45日程度の間をおいて完了日を定める。また加害少年の保護観察官とも、ティーン・コートが定めた内容を遂行する旨の契約が結ばれる。
再犯率は一般の少年裁判所の処分後が40-65%なのに対してティーン・コートの処分後は 18-28%とのことだ。
このティーン・コートは、数年前にテレビで紹介されたこともあり、日本でも司法マニアの間ではよく知られた存在となっている。
愛知県弁護士会では、実際の非行少年ではなく模擬事件を用いて、しかし実際の中学生・高校生を集めて、模擬ティーン・コートを実施している。→今年も白熱ティーン・コート(子ども裁判所)法教育特別委員会 委員 成田 真
こんな制度なのだが、上記のワークショップで遵法精神とか責任ある態度とかを醸成させるためのプログラムがあるとのこと。こんな制度があれば、まっさきに参加させるべきは、オリンパスの歴代経営陣であろう。
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