consumer:集団的消費者被害回復に係る訴訟制度のパブコメ
このブログでも過去、取り上げてきたが、「consumer:消費者の集団的被害回復訴訟・4つの試案」の段階で示されていた4案のうち、いわゆる二段階訴訟案が成案となり、この8月に内閣府消費者委員会の集団的消費者被害救済制度専門調査会が報告書を公表した。
今回のパブリックコメントはこれに基づいて法案化作業を進めている中での一般からの意見を募集するものだ。
法案の焦点は、大きく分けて三つだ。
一つは、集団的消費者被害回復の訴訟を提起できる主体で、報告書はこれを現在の適格消費者団体に加重した認定要件を課して、特定適格消費者団体というカテゴリーを作った。
これについては適格消費者団体に限って提訴資格を認め、その他の団体や被害弁護団などに提訴資格を認めないのはけしからんという批判と、適格消費者団体の中でもさらに要件を絞って少数の団体にしか提訴資格を認めないのはけしからんという批判とがありうる。
第二は、この訴訟で取り扱うことができる事案類型で、以下のように記載されている。
対象となる権利
特定適格消費者団体は、消費者の事業者に対する以下の金銭請求権(3、4については、契約の目的に生じた損害に係るものに限るとともに、人の生命・身体に損害が生じたときの当該損害に係るものを除く。)について、事業者に対し、相当多数の消費者と事業者との間に共通する責任原因の確認を、訴えをもって請求することができることとし、個別の対象消費者の請求権について判断するために必要な事実に関する争いで主要なものが別に存在する場合はこの限りでないこととする。
1 消費者契約(消費者と事業者との間で締結される契約)が不存在若しくは無効又は取消し若しくは解除(クーリングオフを含む。)がされたことに基づく不当利得返還請求権
2 消費者契約に基づく履行請求権
3 消費者契約の締結又は履行に際してされた事業者(消費者契約の相手方又は相手方になろうとする事業者のほか、勧誘をする事業者、勧誘を行わせる事業者、当該消費者契約の内容を定めた事業者、当該消費者契約の締結について媒介又は代理をする事業者、履行を補助する事業者をいう。) の民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権
4 消費者契約に債務不履行がある場合の損害賠償請求権又は瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権
この事案類型については、狭すぎるという批判と広すぎるという批判の両方がある。
もっとも、不特定多数の消費者が被害を受けて、どの程度の広がりか分からないような事案については、ほとんどこの事案類型に入ってこない。特に人身被害や拡大損害は含まれないので、消費者を相手とする事業者が困るような事態は殆ど考えられないであろう。
第三は、一段階目で責任ありと認められた事業者に対する個々の消費者の請求で、破産手続における債権確定の手続に類似した構造となっている。
以上の手続について、意見募集の締め切りは12月28日である。
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