univ.アカハラ2題
短い記事なので全文転載となってしまうが、著作物性はなさそうだ。
大分大は17日、学生のリポートを中傷する文書を学内に掲示するなど威圧的な嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして、医学部の40歳代の男性准教授を戒告の懲戒処分にしたと発表した。た」と話しているという。発表によると、准教授は昨年4~9月、1人の学生のリポートと、「このような内容では駄目だ」などと書いた文書を2度にわたって学内の掲示板に貼り出した。また、実習着姿の別の学生を「コスプレか」とからかうなどした。
准教授の授業を受けていた学生数十人の大半が出席を拒む構えを見せ、昨年9月、大学側に苦情を申し立てた。大学の調査に、准教授は「嫌がらせをしたつもりはない。リポートを掲示したのは励ますためだっ
その関連記事にはこんなのも。
「ばか、そんな計算もできないのか」教授を懲戒
山梨大は21日、学生に対するアカデミック・ハラスメント(嫌がらせ)行為があったとして、医学部の50歳代の男性教授を懲戒処分(減給)にしたと発表した。大学によると、教授は2007年4月頃から09年3月頃にかけて、指導を担当する修士課程の女子大学院生に対し日常的に「ばか、そんな計算もできないのか」「おはらいを受けたら」などと言い、精神的苦痛を与えたという。
教授は、研究指導や助言を求められた際も、適切な対応をせず、修士論文の指導では、半月前に受け取った原稿を締め切り前日になって添削指導をしたとしている。大学院生は、精神科の治療を受け、自宅療養を余儀なくされたとしている。大学側の調査に、教授は「大学に迷惑をかけた」などと話しているという。
いずれも医学部ということだが、学生指導も難しいというのが率直な印象である。
ただ、記事で取り上げられている言動は、少なくとも後者の山梨大の事例では氷山の一角で、精神科の治療を受けるまでに追い込まれるには、それなりのプロセスというものがあるだろうし、単に「ばか、そんな計算もできないのか」と言ったというだけではなかろう。
それに引き換え前者の大分大の事例では、否定的に評価したレポートを掲示したというのがアカハラとされた本体の事件だとすると、それに近いことはやりそうである。
模範答案とダメ答案とがあると、模範答案は大体の到達地点を見る以上の参考価値はなく、かえってダメ答案のほうが、学生の陥りがちなミスをよく示していたりして、参考価値が高いということもある。ただし、ダメ答案と名指しされれば、やはり傷つくこともあるし、やる気もなくそうというものだから、その現物をこのように晒し者にすることは余程の信頼関係がないとできないことだ。この先生は信頼関係を築けていなかったようだし、その点で方法的に間違っていたとしかいいようがない。
でもそれをハラスメントという文脈で処理するのは、ちょっと違うのではないかなという感想を持つ。
もちろん記事に書かれた以上の事情は分からないので、全く的はずれな感想かもしれないが。
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コメント
先日あった横浜市大医学部の事件なんか、江戸時代の松の廊下を連想されるようなものでした。
ひきもきらない現実ですね。
むかし、学生に話したら「先生大丈夫?」と返されました。
絶対に起こさないと確言はできません。
はい。
投稿: ばんぶう | 2011/11/22 17:18
生徒の名前を公表せず、だれの解答かわからないようにしたうえで、その解答をよくない例として他の生徒に提示するのは、指導上適切だと思います。しかし、この記事を読んだ限り、教授はその生徒の名前を公表し、さらに誹謗中傷まで加えてレポートを掲示したということなので、信頼関係云々の前に、明らかな悪意が感じられるこの行為が、
ハラスメントとして扱われることは、当然のように思いました。
投稿: 名無し | 2011/11/23 03:55