consumer:行動経済学の本
消費者法関係で最近特に注目されているキーワードが行動経済学で、その学問的成果を消費者法に全面的に活用した成果が司法研修所報告書としても出されている。
この行動経済学を適切に学びたい人のために、おすすめな本を三冊紹介する。
こちらの本は家計ないし個人レベルでの行動に関する分析をおこなった「家計の経済行動」と、企業レベルでの行動に関する分析を行った「企業の経済行動」の、2 部構成である。
家計という中には消費行動ももちろん取り上げられているが、家庭内役割分担の行動分析も、ジェンダー問題を考える上で興味深い。さらには企業行動も企業を構成する個人の行動決定原理に遡った分析が試みられており、これまた興味深い。特に最近のオリンパスとか大王製紙とか、大企業でも個人の特性にきわめて強く支配されている構造を見させられると、行動経済学の成果がますます注目されるようになるだろう。
この本の書評は行動経済学会に載っている。→http://econon.cun.jp/abef/doc/2010bno1_hisa.pdf
こちらの本は以下のように紹介されている。
調査や実験データによる分析を通じて経済理論が想定する人間と現実の人間とのギャップを定量的に示し、今後の経済学が人間自体を研究対象とし、社会的に存在する人間としての心理的な側面を考慮していく必要があることを示す。
さらに同じ著者で、医療のコミュニケーションを題材とした応用研究がなされている。
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