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2011/10/02

copyright:自炊代行は違法、問題はここから

あえて、文化・芸術のカテゴリに入れたが、かねてより問題が指摘されてきた自炊代行業者について、著作権者からの申入れに対する回答では代行業の違法性を認める結果となっている。

毎日jp:「自炊」代行業者:一部は中止の姿勢 作家・出版社に回答

当然といえば当然の結果だが、問題はここから始まる。

自炊するだけなら、自分のためにやる限り複製権侵害とはならない。自己使用の例外があるからだ。
しかし他人のために複製をすることは、普通に複製権侵害となる。それが他人の注文に応じてであっても全く同じだし、原本を溶かすとか廃棄するとかというのも、経済的にはともかく、法的には複製行為がなされることに変わりはない。

しかし、これによって紙の本をデジタル情報に転換する需要があることがはっきりした。
デジタル端末の普及が進んでいることから、当然のことだが、改めて法の制限が需要とずれていることが判明したのである。

これは、3つくらいの方向に別れる分岐点である。
一つは、紙媒体の本をデジタル化すること自体の是非を考える契機であり、特に著作者ないし著作権者が特にお許しを与えないとデジタル化してはならないということなのかどうか、である。
現在は自己使用に限り、著作者ないし著作権者の許諾が不要だが、これを経済合理的にやろうとすれば当然専門事業者が必要となり、つまり代行業が必要となる。代行業が著作権侵害になるということは、デジタル化することを著作者ないし著作権者の許諾にかからしめており、極端な話、著作者ないし著作権者が「この本はデジタル化してほしくない」と思えば、拒否できるし差止もできる。
デジタル化して利用したいという利用者の需要は、条件付きでしか認められていないのである。

第二に、許諾しないということはないとしても、デジタル化許諾の利得を今以上に確保したいという動きが著作者ないし著作権者の側にある。私的利用の制限を撤廃してしまえ、時代に合わないと叫んでいる一派である。

第三に、全く逆に、デジタル化することを著作者ないし著作権者の許諾にかからしめている事自体がケシカラン、時代に合わないと叫ぶ一派があり、これは利用を自由に行いたいという需要に正面から答えるものだ。

第一の方向は現状維持、第二の方向はプロライト、第三の方向はプロユースとでも言おうか。

私は、デジタル化することの経済的利得を今以上に、つまり私的利用の範囲内であっても著作者ないし著作権者に支払うことはやむを得ないが、許諾権構成は撤廃し、自由に、しかし料金を払って行うというのが最も良いと思う。
著作物作成のインセンティブも損なわれず、むしろ自由利用によって著作物作成のインセンティブは向上するのだろうと思うからだ。

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