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2011/08/01

Book:Googleの脳みそ

三宅伸吾さんから送っていただき、読みふけってしまったのでご紹介。

まず、この本は題名で損をしている気がする。よくあるgoogle内幕本のたぐいかと思ったら、全く違った。もちろん三宅さんの書くものを知っている人は、そんな誤解はしないのだが、本屋に並んでいたら、そう思い込むだろう。

中身は、第1章こそGoogleの脳みそという章題でグレーゾーンに斬り込んでいってダメなら謝るというGoogle的発想から話が始まるし、Googleストビュー騒動が出てくるが、その次の話題はWinnyの金子さんの話であり、三岸節子事件(鑑定証書の縮小カラーコピーが複製権侵害かと争われた事件)などが続く。

第2章はプリンスホテルが仮処分を無視したケースが中心テーマであり、第3章は国政選挙の定数配分違憲訴訟がテーマ、第4章は人質司法などに始まる検察と裁判所に対する不信の高まり、第5章はJAL倒産までに至るすったもんだと東電のすったもんだ、第6章は役員報酬開示や公開会社法構想などの批判、第7章は中国の成長と日本の閉塞、そして第8章で、三宅さんが「やる気システム」の再構築に向けた10の具体策を提案するという構成である。

日頃、ネットでもおなじみの落合さんや郷原さんがどしどし登場するので、そういう人たちをツイッターなどでフォローしていると、また違った楽しみが味わえる。著者と同時代的な感覚を共有するというか。
私もちょっとだけ登場する。

というわけで、特に法律問題に興味がある人におすすめの一冊だ。もちろん、三宅さんの見解に賛否はあるだろうが。

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