arret:出会い系サイトによる売春周旋
出会い系サイトにより売春を斡旋していた者が、売春防止法6条1項の売春周旋罪に問われた事例。
(周旋等) 第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。 2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。 一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。 二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
出会い系サイトの運営者が、自ら売春婦を装って客を誘い、交渉成立すると本物の売春婦を差し向けたという事案で、周旋罪の成否が問われた。
なぜ問題となるのかよく分からないところがあるが、売春周旋行為であることを客が認識していなかったから周旋罪が成立しないというのである。
被害者の認識というのが構成要件に関係するようには見えないが、ともかくそのように言われて最高裁は次のように判示した。
売春防止法6条1項の周旋罪が成立するためには,売春が行われるように周旋行為がなされれば足り,遊客において周旋行為が介在している事実を認識していることを要しないと解するのが相当である。
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