news:子供の携帯トラブル
Twitter経由で見た読売新聞サイトの記事では、「東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール)」の相談実績を伝えている。
キーポイントは見出しのとおり、架空請求が40%を占めるというのだが、中学生高校生の子供が数万円の請求に怯えて親に相談できないで困っているということのようだ。
記事で紹介されていた相談例に、次のようなものがある。
子供が親のいない間にパソコンでアダルトサイトを見てしまい、内容を見ずに「はい」をクリックしていった様子。5分おきに5万円支払えという画面が出てくる。どうしたら良いか。(保護者)
子供が親のパソコン使ってアダルトサイトを見るなどというのは、まったくありがちな話で、これを根絶することなどは出来ない。
その場合に、エロ見たさにどんどん「はい」をクリックするのも当然だろう。
いわゆる架空請求ではなく、確認画面も含めての意思確認が出来てしまっているケースかも知れない。
ただし、子供が契約したことであれば、未成年者取消も可能であろう。「あなたは18歳未満ではありませんか」に「はい」とクリックしただろうから、その点が未成年者の詐術になるのではないかという問題はあるが、その程度のことでは詐術とは認め難いと解したい。
契約は取り消して、しかも利得は残っていないと解すべきだと思うのだが、最後に利得が現存しているとして契約金額を払わせるという解釈論がまかり通っているらしいので、その点は何とかしなければならない。未成年者保護規定の制度趣旨に真っ向から反する解釈だと思うのだが、なぜか有力なのだ。
それとは別に、「5分おきに5万円支払えという画面が出てくる」という部分、これはコンピュータ・ウイルスの一種と解して、刑法234条の2の罪で告訴してみてはどうか?
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
結構な重罪である。
それから、スパムメールは一般的には減少しているはずだが、子供の世界では増大しているらしい。
その悩みは実に可愛いものである。ちょっと答を考えてみる。
(1)出会い系サイトに登録したら、他のサイトにメールアドレスが渡ってしまったらしく、様々なメールが送られてくる。止めるにはどうすれば良いか。(中1男)メールアドレスを変えよう。それが一番だ。ついでに、その出会い系サイトのように個人情報を横流しするサイトは占いサイトなども含めてたくさんあるので、今後はうかつにメールアドレスを出さないようにしよう。
(
2)子供の携帯電話に友達からメールが送られてきて、内容は「回さないと暴力団が殺しに来る」「10時間以内に10人に回さないと足を切りに行く」等と書かれているため、子供が脅えている。どう対応すれば良いか。(保護者)
古くからよくある不幸の手紙のたぐいなので、子供は怯えるかもしれないが、一つ肝試しをしてみるというのはどうであろうか?
チェーンメールを回さないことを感知して子供を殺しに来るほど暴力団さんはヒマではないとか、10人に回さなかったことをどこかに公示しないと足を切りに来れないのではないかとか、そういうことを考えるにはまだ幼すぎるのかもしれない。だとすれば、「ほうら、なんともなかったろ」という経験をさせてあげるのが一番ではなかろうか。
しかし、いずれにしても親に相談できないで困っている子供とか、親自身が対処できないで困るときとか、相談窓口へのアクセスが容易になっているかどうかがキーポイントだ。架空請求や営利狙いのスパムなどは、間違っても支払わないこと、そして可能であれば摘発につなげていくかが重要で、割の合わない犯罪とならなければ何時までも無くならないし、ダマされる子供と未熟な親も次々再生産されるのである。
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