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2011/06/30

Book:日本のソブリンリスク

バークレー・キャピタル証券ディレクターの二人の著者が、日本の財政赤字と国債発行の行く末を大胆に予測してみたのが本書だ。

著者は、財政赤字が財政破綻へとつながる可能性を否定しているわけではもちろんないが、財政政策の舵取りの仕方や景気変動の可能性とを組み合わせ、これに市場や日銀の反応の変数も導入して、独自に将来予測を確率的に示している。

それが本書140-141頁のチャートだ。

ネタバレではあるが、著者が最も高い確率として示すのが、「財政状況はさらに悪化するが破綻には至らない」というもの。

著者の分析では、デフレの状況が継続することにより、財政破綻が避けられてきたというのである(p.112)。そのことを前提として、財政再建策が一応実行されるが不十分という場合を70%で起こりうるのに対して財政再建を実行できないという場合を5%としている。この当たりの予測が、上記の「破綻には至らない」という予測の確率の高さを支えているのである。

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